2024年11月23日
兵庫県知事選絡みで思ったこと、組織・権力者に抗っても勝てないのが普通
(自ら告発なり批判する側になったら、心理面はその後針のむしろ状態かなと)
今回の兵庫県知事選を巡る一連の騒動については、いろんな人がうごめき、いろんな人の思惑が絡み合い、ネットや大手メディア等の媒体でいろんな情報が飛び交い、第三者にとっては真偽はよくわからない状況になっています。
なので、当事者でもない私は知事選に直接絡むことについては論評したいとは思いませんが、ただ、これまでの仕事人人生を通して、自らが当事者として経験したことを踏まえ思ったことを述べてみます。
どういうことを述べたいのかというと、簡単に言えば、ごく普通の仕事人は、組織・権力者に抗っても勝てないのが普通だということです。
強い信念があって、かつ勇気と覚悟がないかぎり、組織・権力者には抗わないほうが無難ということもできるかもしれません。
私自身の体験談についてお話します。
一つ目は、ある大手日系企業勤務時代、20代の頃の出来事ですが、その会社では毎朝職場で全員が順番に自由なテーマでスピーチをする慣習がありました。
当時仕事に負担を感じ、それが上層部の人たちのせいだと被害者意識の強かった私は、自分にスピーチの順番が回ってきた時に、暗に上層部を批判するために、“逆明利君”の話を少し長めにしたことがありました。
私以外の人たちのほとんどは、趣味だの日常身近で起きた出来事だのをテーマにして当たり障りのないスピーチをしていたので、私のスピーチは異例だったらしく、後で先輩同僚から「何だ今日のスピーチは。うちの組織を批判したのか」とチクリとやられました。
上層部の人たち(課長とか部長とか)は何も言いませんでしたが、おそらくこの先輩同僚のような受け止め方をした人もいたでしょうね。
二つ目は、ある外資系企業勤務時代、30代の頃の出来事ですが、その会社には誰でもが経営者に自由に意見できるイントラの掲示板がありました。
当時、私はパソコン通信を趣味にしていたこともあって掲示板の書き込みは得意だったので、自分では建設的な事柄だと考えたことを実名で気軽にバンバン書いていました。
ちなみにこの掲示板は社員なら誰でも閲覧・投稿できるシステムでした。
私は自分の直接の仕事以外でも、会社全体のことや他部署の役割みたいなこともネタにして書いていたのですが、それを読んだ人の中には気分を害した人もいたようで、特に肩書きが高い人の中には私を生意気だと思った人もいたようでした。
ある時は人事部門を通して圧力を掛けられたこともありました。
結局、私のこの動きも一つの要因になったのでしょうが、この掲示板は閉鎖されてしまいました。
三つ目は、あるIT企業勤務時代、40代の頃の出来事ですが(私はその会社にマネージャー職で入社した)、前からいた正社員スタッフの勤務態度に大いに問題を感じていました。
その会社には決まった就業時間というのがあったのですが(当時はその職場にはフレックスタイム制度はなかった)、何人もの正社員が遅刻して出社したのです。
職場には外部からの派遣社員も多く、彼・彼女らが真面目に就業時間に出勤していたので、その対比で正社員の行動が目に余ったのです。
そのことを人事部門とも相談してみたのですが埒が明かず、そのような日頃の不満をこのブログで書いたことがありました。
そうしたところ、その記事が当該社員たちの目に触れてしまって反発を買い、また、当時ブログに勤務先名を書いていたこともあって会社の経営陣にも知られることになり、一時期は解雇される直前まで事態がいったこともありました。
四つ目は、ある同族会社勤務時代、40代の頃の出来事ですが(私は直接の当事者ではありませんでしたが)、同僚の誰かが経営者の非を糾弾する批判文書を匿名で経営者宅に送り付けたことがありました。
この文書は後日全社員に配布され全員が知ることとなりました。
当時、この会社は業績不振に陥り社員の給与切り下げが行われたのですが、それに対する不満というか批判がこの文書に記され、経営の失敗の結果を社員に押し付けるのかともっともらしく書かれていました。
この件について、経営者は犯人捜しをし、また社員の全体会議を開催したり、個別の部署からの意見・情報徴取をしたりしました。
社員数の少ない会社だったので、経営者を含め多くの人の中では薄々「きっとあの人がやったのであろう」という感覚はあったのですが、今回の兵庫県知事選絡みのように、批判文書の中に「社員は同じ思いだ」みたいなことが書かれていたため、結局追及がとことん行われるということはありませんでした。
長くなってしまいましたが、自分が当事者として組織・権力者に抗うと、組織・権力者側からプレッシャーがすごく、その行動を起こして以降は毎日が針のむしろ状態になります。
私と同様の行動をしたことのある人ならわかっていただけるかもしれません。
だから、本当に行動に移すならそうとうな勇気と覚悟が必要です。
仮にその人が取った行動が正しいものであったとしても、その結果は行動を起こした人に不利益となって返ってくることあるのです。
かつて(20年以上前)、兵庫県の西宮冷蔵という中小企業が取引先の大手企業による牛肉偽装を告発して大きな話題になったことがありました。
海外産の牛肉を国産と偽っていた事件です。
社会的には勇気ある告発・行動だと賞賛する空気(報道)もかなりあったのですが、残念ながら告発・行動したこの会社は業界から干され事業は衰退の一途をたどってしまいました。
もちろん、告発された取引先の大手企業は罰せられ大きなダメージを受けたのではありますが。
世の中の現実とはこうしたものです。
兵庫県知事選絡みで告発・行動した元県民局長氏は自殺してお亡くなりになったようですが、私の場合は、自分が受けていたプレッシャーから逃れるために、その組織を去る(部署異動、退職等)という道を選びました。
元県民局長氏の告発文には、組織内の同僚たちから知事の言動に対するいろいろな不満があったというようなことも書かれていたようですが、上述した私の経験も踏まえていうと、たぶん、一番不満を持っていたのはこの元県民局長氏で、彼は「正義は我にあり」、「私が行動すれば多くの賛同者がいるはず」と強く思い込んだのではないかと想像します。
そして、自分が使用していたPCが押収されたことで強い焦りも感じたことでしょう。
こう言ってはなんですが、仕事で使っているPCとはいえ、多くの仕事人は他人に見られたくない内容のデータを保存している可能性が大なんですよね。
そんなものを突然取り上げられたら焦るのは当然です。
その中にとんでもないデータがあったとしたら、、、あとは想像にお任せいたします。
最後に、繰り返しになりますが、ごく普通の仕事人は、組織・権力者に抗っても勝てないのが普通だと思うので、よほど強い信念があって、かつ勇気と覚悟がないかぎり、組織・権力者には抗わないほうが無難で程よく充実した仕事人人生を送れるのではないかと思う次第です。
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当時、私はパソコン通信を趣味にしていたこともあって掲示板の書き込みは得意だったので、自分では建設的な事柄だと考えたことを実名で気軽にバンバン書いていました。
ちなみにこの掲示板は社員なら誰でも閲覧・投稿できるシステムでした。
私は自分の直接の仕事以外でも、会社全体のことや他部署の役割みたいなこともネタにして書いていたのですが、それを読んだ人の中には気分を害した人もいたようで、特に肩書きが高い人の中には私を生意気だと思った人もいたようでした。
ある時は人事部門を通して圧力を掛けられたこともありました。
結局、私のこの動きも一つの要因になったのでしょうが、この掲示板は閉鎖されてしまいました。
三つ目は、あるIT企業勤務時代、40代の頃の出来事ですが(私はその会社にマネージャー職で入社した)、前からいた正社員スタッフの勤務態度に大いに問題を感じていました。
その会社には決まった就業時間というのがあったのですが(当時はその職場にはフレックスタイム制度はなかった)、何人もの正社員が遅刻して出社したのです。
職場には外部からの派遣社員も多く、彼・彼女らが真面目に就業時間に出勤していたので、その対比で正社員の行動が目に余ったのです。
そのことを人事部門とも相談してみたのですが埒が明かず、そのような日頃の不満をこのブログで書いたことがありました。
そうしたところ、その記事が当該社員たちの目に触れてしまって反発を買い、また、当時ブログに勤務先名を書いていたこともあって会社の経営陣にも知られることになり、一時期は解雇される直前まで事態がいったこともありました。
四つ目は、ある同族会社勤務時代、40代の頃の出来事ですが(私は直接の当事者ではありませんでしたが)、同僚の誰かが経営者の非を糾弾する批判文書を匿名で経営者宅に送り付けたことがありました。
この文書は後日全社員に配布され全員が知ることとなりました。
当時、この会社は業績不振に陥り社員の給与切り下げが行われたのですが、それに対する不満というか批判がこの文書に記され、経営の失敗の結果を社員に押し付けるのかともっともらしく書かれていました。
この件について、経営者は犯人捜しをし、また社員の全体会議を開催したり、個別の部署からの意見・情報徴取をしたりしました。
社員数の少ない会社だったので、経営者を含め多くの人の中では薄々「きっとあの人がやったのであろう」という感覚はあったのですが、今回の兵庫県知事選絡みのように、批判文書の中に「社員は同じ思いだ」みたいなことが書かれていたため、結局追及がとことん行われるということはありませんでした。
長くなってしまいましたが、自分が当事者として組織・権力者に抗うと、組織・権力者側からプレッシャーがすごく、その行動を起こして以降は毎日が針のむしろ状態になります。
私と同様の行動をしたことのある人ならわかっていただけるかもしれません。
だから、本当に行動に移すならそうとうな勇気と覚悟が必要です。
仮にその人が取った行動が正しいものであったとしても、その結果は行動を起こした人に不利益となって返ってくることあるのです。
かつて(20年以上前)、兵庫県の西宮冷蔵という中小企業が取引先の大手企業による牛肉偽装を告発して大きな話題になったことがありました。
海外産の牛肉を国産と偽っていた事件です。
社会的には勇気ある告発・行動だと賞賛する空気(報道)もかなりあったのですが、残念ながら告発・行動したこの会社は業界から干され事業は衰退の一途をたどってしまいました。
もちろん、告発された取引先の大手企業は罰せられ大きなダメージを受けたのではありますが。
世の中の現実とはこうしたものです。
兵庫県知事選絡みで告発・行動した元県民局長氏は自殺してお亡くなりになったようですが、私の場合は、自分が受けていたプレッシャーから逃れるために、その組織を去る(部署異動、退職等)という道を選びました。
元県民局長氏の告発文には、組織内の同僚たちから知事の言動に対するいろいろな不満があったというようなことも書かれていたようですが、上述した私の経験も踏まえていうと、たぶん、一番不満を持っていたのはこの元県民局長氏で、彼は「正義は我にあり」、「私が行動すれば多くの賛同者がいるはず」と強く思い込んだのではないかと想像します。
そして、自分が使用していたPCが押収されたことで強い焦りも感じたことでしょう。
こう言ってはなんですが、仕事で使っているPCとはいえ、多くの仕事人は他人に見られたくない内容のデータを保存している可能性が大なんですよね。
そんなものを突然取り上げられたら焦るのは当然です。
その中にとんでもないデータがあったとしたら、、、あとは想像にお任せいたします。
最後に、繰り返しになりますが、ごく普通の仕事人は、組織・権力者に抗っても勝てないのが普通だと思うので、よほど強い信念があって、かつ勇気と覚悟がないかぎり、組織・権力者には抗わないほうが無難で程よく充実した仕事人人生を送れるのではないかと思う次第です。
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yoron at 07:31│Comments(0)│仕事人の叫び