2024年07月14日
「再雇用、定年延長」の弊害、かなり深刻だ
(高齢労働者が増えていく日本社会が直面する問題・課題とは)
最近、明治安田生命保険が、2027年度の導入を目標に、営業職員以外の内勤職の定年を70歳に引き上げる方針とのニュースがありました。
今では、大企業を中心に多くの企業が定年後の再雇用制度を導入したり、定年延長をしていますが、おそらく、この動きは今後しばらくは加速するかもしれません。
何せ国もそれを奨励し法律も整備しつつありますからね。
この背景にあるのは、日本の少子高齢化の流れが止まらず、高齢者が増加する半面若者が減少するので労働者不足になってしまう、高齢者が増え過ぎて人口ピラミッドに歪みが発生すると年金をはじめとする社会保障費の財源問題が発生する等の問題です。
表面的なきれいごとで言えば、まだ元気な高齢者には現場で活躍してもらって人生のヤリガイを感じてもらうとか、高齢労働者が持っている熟練の技を未熟な若手労働者たちに伝承してもらうことで企業活力を維持するとか、労働者不足を元気な高齢者に補ってもらうとか、いろいろあるでしょう。
そりゃ、例えば、今自分が60歳で定年間近という人であれば、定年が10年延びてその恩恵を受けられるなら嬉しいことかもしれません(その人が働き続けたいのであれば)。
昨今は、給料が減っても会社の再雇用制度を利用して働き続ける人がかなり増えてきていますが、言い方は悪いですけど、定年後の人生設計があいまいな人にとってはこれは楽な選択肢なんです。
60代にもなって再就職も難しいとなれば、慣れた職場に居続けたいと思うのは自然なことですからね。
では、はたしてこれはいいことなのでしょうか。
企業側にプラス効果を生むのでしょうか。
いいふうな見方をすれば、高齢化社会に対応した良い施策に思え、国も補助金等でバックアップしてくれるかもしれません。
しかし、企業の活性化、成長力等について考えてみて下さい。
以前からずっと言われていたことですが、会社の中に年輩者が多ければ多いほど若者はやる気を失うんです。
だから、これも前から各企業で行われてきたことですけど、早期退職制度を設けている会社は年齢の高い層から追い出していくんです。
会社が業績不振に陥った時によく実施するリストラの対象年齢を見れば一目瞭然ではないですか。
私はこれまで何度も転職していますが、私が若い頃によく思ったのは、若くても大きな仕事に挑戦でき自分が成長できる組織で働きたいということでした。
逆に言えば、周囲に中高年社員が多く上に行くのがなかなか難しいと感じた環境には息苦しさを感じていたということです。
新卒で最初に入社したのは、歴史のある典型的な日系の大企業でしたがまさにそんな感じでした。
だから、その会社に定年まで居続けようとは考えてもいませんでした。
これは何も私だけでなく、若者ならそういう思考になりがちのはずです。
もし、冒頭で紹介した明治安田生命保険の事例のように定年の年齢を70歳まで延ばす企業が増えていった場合、組織内に仕事人としてパフォーマンスの低い高齢労働者が増え、それが組織全体の生産性を落としてしまうというデメリットが想像されます。
既に高齢者である私が言うの何ですけど、私が若者でこれから就職先を選ぶ立場なら、“定年が70歳=良い会社”という見方はせず、逆に“定年が70歳=古い考えの社員が多い会社、成長性が期待できない”という見方をして敬遠してしまいそうです。
もしそういう会社に縁あって入社したとしても、そこである程度の経験を積んだら飛び出してしまうかもしれません。
私の周囲には、現在再雇用で働いている人が何人かいますが、あえて失礼な言い方をしますけど、仕事に前向きな人はおらず(仕事をサボっているわけではないでしょうが)、どちらかといえば気持ちが黄昏れている人が多いような印象を受けています。
こういう人は、例えば、職場の若い人と一緒に飲んだ席で、「お前なぁ、こんな会社にいてもいいことないぞ」とか、「この会社で一生懸命働いてもまともに評価されることはないからな」とか、ネガティブな発言を繰り返して若い人のモチベーションを下げる恐れがあります。
長くなってしまいましたが、ここで言いたかったのは、「再雇用、定年延長」というのは、企業や組織にとってデメリットも多く、その影響はかなり深刻だということです。
これは、日本以外のアジアの国々に行ったことのある人たちが口にしていたことですが、日本ほど人口が高齢化していない国は人々がとても元気で経済が活性化しているそうです。
ベトナムに行ったことのある人は、この国はかつてのベトナム戦争で今頃高齢者になっているはずの人の多くが死んでしまっていて若者主体の国になっており、これからの経済成長が測り知れないと言っていました。
つまり、若い人が多いほど企業は活性化し成長が見込めるということです。
若さゆえの失敗はあるかもしれませんが、若い人はそれを乗り越えていくだけのバイタリティを持っていますしね。
いや、ほんと、これからの日本社会、企業、いろんなところで変化がありそうな予感がしています。
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企業側にプラス効果を生むのでしょうか。
いいふうな見方をすれば、高齢化社会に対応した良い施策に思え、国も補助金等でバックアップしてくれるかもしれません。
しかし、企業の活性化、成長力等について考えてみて下さい。
以前からずっと言われていたことですが、会社の中に年輩者が多ければ多いほど若者はやる気を失うんです。
だから、これも前から各企業で行われてきたことですけど、早期退職制度を設けている会社は年齢の高い層から追い出していくんです。
会社が業績不振に陥った時によく実施するリストラの対象年齢を見れば一目瞭然ではないですか。
私はこれまで何度も転職していますが、私が若い頃によく思ったのは、若くても大きな仕事に挑戦でき自分が成長できる組織で働きたいということでした。
逆に言えば、周囲に中高年社員が多く上に行くのがなかなか難しいと感じた環境には息苦しさを感じていたということです。
新卒で最初に入社したのは、歴史のある典型的な日系の大企業でしたがまさにそんな感じでした。
だから、その会社に定年まで居続けようとは考えてもいませんでした。
これは何も私だけでなく、若者ならそういう思考になりがちのはずです。
もし、冒頭で紹介した明治安田生命保険の事例のように定年の年齢を70歳まで延ばす企業が増えていった場合、組織内に仕事人としてパフォーマンスの低い高齢労働者が増え、それが組織全体の生産性を落としてしまうというデメリットが想像されます。
既に高齢者である私が言うの何ですけど、私が若者でこれから就職先を選ぶ立場なら、“定年が70歳=良い会社”という見方はせず、逆に“定年が70歳=古い考えの社員が多い会社、成長性が期待できない”という見方をして敬遠してしまいそうです。
もしそういう会社に縁あって入社したとしても、そこである程度の経験を積んだら飛び出してしまうかもしれません。
私の周囲には、現在再雇用で働いている人が何人かいますが、あえて失礼な言い方をしますけど、仕事に前向きな人はおらず(仕事をサボっているわけではないでしょうが)、どちらかといえば気持ちが黄昏れている人が多いような印象を受けています。
こういう人は、例えば、職場の若い人と一緒に飲んだ席で、「お前なぁ、こんな会社にいてもいいことないぞ」とか、「この会社で一生懸命働いてもまともに評価されることはないからな」とか、ネガティブな発言を繰り返して若い人のモチベーションを下げる恐れがあります。
長くなってしまいましたが、ここで言いたかったのは、「再雇用、定年延長」というのは、企業や組織にとってデメリットも多く、その影響はかなり深刻だということです。
これは、日本以外のアジアの国々に行ったことのある人たちが口にしていたことですが、日本ほど人口が高齢化していない国は人々がとても元気で経済が活性化しているそうです。
ベトナムに行ったことのある人は、この国はかつてのベトナム戦争で今頃高齢者になっているはずの人の多くが死んでしまっていて若者主体の国になっており、これからの経済成長が測り知れないと言っていました。
つまり、若い人が多いほど企業は活性化し成長が見込めるということです。
若さゆえの失敗はあるかもしれませんが、若い人はそれを乗り越えていくだけのバイタリティを持っていますしね。
いや、ほんと、これからの日本社会、企業、いろんなところで変化がありそうな予感がしています。
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yoron at 09:36│Comments(0)│仕事人の叫び