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2023年06月03日

大企業出身者が失敗する要因の一つ、変なプライド

東京オペラシティ4
(あなたの中にある変なプライド、それは将来のリスクになるかも)
かつて、社員数30名足らずの中小企業に勤務していた頃、名だたる大企業(社員数数万人)で課長を務めた経験を持つ人、執行役員を務めた経験を持つ人と一緒に仕事をしたことがありました。
残念ながら二人とも同社(中小企業)で大した成果を上げることもできず短期間で去っていきました。
在籍当時、私がこの二人を見ていて感じたのは、二人とも高い能力を持っていたし、スキルのレベルも高かったのですが、周囲の同僚たちに対し上から目線で接していたということです。
二人とも社長に勧誘されて入社したということもあって最初から役付きだったので、それがそういう態度をとらせたというのもあったのかもしれません。
長年その会社にいる社員にすれば、外部からやってきて内部事情をよく知らないよそ者に偉そうな態度であれこれ指示命令されたらいい気はしません。

この二人が辞める直前には、二人とも他の同僚たちとまったくコミュニケーションがとれていない状況になっていました。
そのうちの一人は、部下に指示命令を出す度に、「私は今忙しくてそれどころじゃないないのでその仕事はあなたがやって下さい」と反発され、「部下が言うことを聞いてくれないんです」と社長に泣き言を言っていました。
さすがに社長もその言葉にあきれた表情をしていたのを覚えています。
大企業出身だけあっていろんなPCソフトを使いこなし、プレゼンテーションも上手、、、しかし、自分が置かれた環境をきちんと理解し、その環境に合わせた仕事ができない、これでは成果が出せるわけがありません。


『郷に入っては郷に従え』ということわざもありますが、転職して異なる環境に身を置く時は、過去の仕事人としてのプライドは捨て、新しい環境に適合していくための努力が必要です。
大企業出身者が転職、特に中小企業に転職したり、新しい仕事に就こうとする際に失敗する要因の一つが、なんというかこの変なプライドなんですよね。
「私はかつてこんなすごい会社にいたんだ。その会社でこんなすごい仕事をして実績も上げたんだ。そして、こんなすごいノウハウやスキルも身につけているんだ」、みたいなね。
そういうは人、「所詮、小さな会社なんて私の能力を持ってすれば簡単に仕事が回せる」、「そんな私を相手は高く買ってくれるはず」といった幻想を抱きがちです。
でもね、これまで10数回の転職をし、大企業から中小零細企業、創業したばかりのベンチャー企業まで経験してきた私に言わせりゃ、一言、「世の中、そんなに甘くないですよ」と。

私の友人の一人に間もなく定年で勤務先を退職するという元大企業勤務者がいるのですが、その人はまだ働き続けたいとかで、その際の条件はああでこうでといろいろ言っています。
自分の人生だから何かにこだわって条件重視で仕事選びをするのはけっこうですが、世の中の現実からすれば60代以降の定年退職者の希望をあれこれ受け入れて雇用してくれる企業なんてめったにないものです。
私は経理畑ン十年の経理のプロですと胸を張ってみたところで、経理スタッフを募集している企業側からすれば、「経理は直接利益を生む仕事ではないし、未経験でいいから柔軟性のある若い人で十分」というのが本音なので採用される可能性はほとんどありません。
60代以上の人が仕事探しをするのなら、過去を断ち切り、変なプライドは捨てて、現実的に採用してもらえそうな仕事を選ぶことです。

過去の経歴は関係なく、人手(人材)不足の業界、仕事はたくさんあります。
警備、介護、保育、調理補助、運転手、配達員、小売り店舗スタッフ、等々。
ちなみに、私は現在還暦に近い年齢ですが、50代以降はずっと調理補助の仕事に就いています。
この仕事に就いた最初の頃は、「なんで私がこんな仕事を」と思った時もありましたが、慣れてくると仕事の面白さを感じるようになりやりがいもあります。
仕事の現実でいえば、重労働で細々した作業が多く、時給制で年収は(フルタイム勤務で)200万円程度、正社員のような諸々の特典(賞与、昇給・昇格、福利厚生等)はなしといったところですが、それでも今の仕事に就いたことに対し後悔はしていません。
今の私には変なプライドは一切ないので、どんな仕事であれ自分がやってみたい仕事は積極的にやるというのが今の仕事観です。
さて、あなたはいかがですか?

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yoron at 06:58│Comments(0)仕事人の叫び 

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