給料で「幸福感」は買えない“働く”ということを勘違いしてないか?

2004年11月24日

『取捨選択の人間関係』の法則

ネットを介した人間関係には、法則があるのをご存知ですか?
それは、『取捨選択の人間関係』という法則です。
それは、どういう法則かといいますと、、、
付き合いたい人とは付き合い、付き合いたくない人とは付き合わず、嫌になったらさっさと別れる」というものです。

「えっ?そんなのはネットでなくたって同じじゃないか」って?
たしかに、ネットを介していようがいまいが、人間関係全体でいえることなのかもしれません。
しかし、ネットの人間関係を経験したことのある人なら実感できると思いますが、ネットを介した場合とそうでない場合では、多少違いがあるのです。
いや、多少どころか、人によっては大きな違いを感じるかもしれないのです。
会社や身近な場所での人間関係とネットでの人間関係を比べてみると、よりわかりやすいのではないでしょうか。


それでは、私の経験談でお話ししましょう。
私は、現在のようにインターネットという言葉が一般化する以前のパソコン通信の時代に、ネットの世界に入りました。
最初に入会したのはパソコン通信大手のNifty-serveでした。
Niftyの特徴はフォーラム(趣味仲間の集まり)がたくさんあることで、フォーラム内には電子会議室が設置されており、日夜仲間が書き込みをし合って楽しんでいました。
私が参加したのは、異業種交流をテーマにしたフォーラムで、オフ会なども頻繁に開催され、たくさんの人と名刺交換もしました。
おそらく、オフ会を通して1,000人以上の人にお会いしているでしょう。

その後、世界最大のAOLが日本でサービスを開始するにあたり、同社のサイトで仕事をテーマにしたコミュニティを立ち上げました。
Niftyの時は1参加者だったので、今度は運営者側の経験をしてみたかったのです。
ここでは、掲示板、チャット、オフ会を活動の3本柱とし、これらの活動を通して多くの人たちと出会いました。
オフ会でも500人以上の人とお会いしていると思います。

初めてネットの世界に足を踏み入れ、そこでいろんな人たちと出会った時は、異次元の世界に入り込んだようで本当に感動しました。
そして、ネットを介してこんなに手軽にいろんな人に出会えるなんて、ネットって何て素晴らしいんだろうと思ったものです。
それこそ、『一期一会』を大切にしたいと思いました。
ところが、10年以上もネットの世界に身を置き、過去の出会いさえ忘れてしまうような状況になってみると、一期一会どころか、ネットでの出会いというのは一種の通過点のような気がするのです。
感覚でいえば、道路上で誰かとすれ違うような関係とでもいいましょうか。
出会いが少ない人であれば、そういう人間関係でさえ重みがあるのでしょうが、膨大な人と出会う人にとっては、どうしても人間関係が薄くなってしまいます。

例えば、私の場合、Nifty時代に実際に1,000人以上の人と出会っていながら、現在でもある程度付き合いを続けているのはほんの数人です。
よく参加していたフォーラムを離れる時、当時親しく付き合っていた人たちとは「今後とも付き合いを続けていきましょう」などと言葉を交わしていましたが、歳月とともに疎遠になり、いつしか交流はすっかりなくなってしまいました。
振り返ってみると、頻繁に会っておしゃべりをしていた人でさえ、実は、その人自身については知らないことが多く、メールアドレス以外は住所等の連絡先も知らなかったということがたくさんあります。
メールアドレスしか知らないわけですから、その人がそのメールアドレスを変更したり、プロバイダーを退会したりすれば、もはや付き合いがなくなるわけです。

なぜ、そうなってしまうのでしょうか。
よくよく観察し考えてみると、そこにネットならではのいくつかの傾向があることがわかります。
いくつかあげてみると、
1.参加者は匿名が多く、個人情報を知られるのを嫌がる。
2.深い人間関係よりも軽い人間関係を求めている人が多い。
3.仕事上やその他でのストレスを発散するためにネットを利用している。
4.恋人探し、不倫相手探し、H相手探し目的でネットを利用している。
5.自分に居心地が良く、都合のいいことだけをネットに期待している。
6.好きな時にいつでもどこへでも行けるのがネットだと思っている。


もともとこういった傾向があるわけだから、新たな人間関係が簡単につくれる反面、簡単に切れてしまうというのはご理解いただけるでしょう。
誰からも強制されないところでお互い強い結び付きを求めないのですから、逆に強い結び付きを期待するなら相当の努力が必要ということになります。
AOLでコミュニティを運営していた時は、私は運営側として集まったメンバーを強く結び付けてとどめておく必要があったので、自分の時間をかなり費やして努力したのですが、そういう人、努力がなくなれば、そこに集まっていたメンバーが離れていくのは自然の流れといえるのです。

こういうネットの人間関係の特性を理解していれば、ネットを介しての出会いに過大な期待をかけることもないし、関係悪化に必要以上に悩むこともないでしょう。
もちろん、濃密な関係を期待し、より良い関係をつくりたいのなら、お互いが関係維持・発展のために努力すればいいだけです。
Nifty時代から付き合いのある友人の1人がこんなことを言っていました。
ネットで親しくしていたからってずっと付き合い続ける必要なんてないのよ。もともと利害関係のある関係じゃないんだし、付き合わなければならない相手でもなければ、自由に付き合ったり別れたりしていいんじゃないかな。だって楽しい人生にしたいじゃん
これは、ネットを介した人間関係の本質をついた言葉だと思います。

ブログが普及し出して、ますますこの傾向は強まるでしょう。
掲示板を中心としたコミュニティでは、自分が原因で居辛い雰囲気をつくってしまうと、何となく他のメンバーと付き合いにくくなり、最悪の場合はそのコミュニティを去ってしまうということがありましたが、ブログでは、最初から関係を持ちたい人を自主的に取捨選択するということが行われます。
ある意味、ブログは、『取捨選択の人間関係』の法則がそのまま当てはまる世界かもしれません。

「付き合いたければ付き合い、付き合いたくなければ付き合わない、嫌になったらさっさと別れる」という『取捨選択の人間関係』の法則は、まさに“自己責任の原則”に基づいた法則のような気がします。
縛りがない世界だからこそ自由が謳歌でき、その一方でその世界でとった自分の言動については自分で責任をとるということですね。
ネット社会の到来は、実は私たち1人ひとりに“対人関係のあり方”や“個のあり方”について改めて考えさせるきっかけになるのではないでしょうか。


yoron at 16:13│Comments(6)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック その他の話題 

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この記事へのコメント

1. Posted by LAC   2004年11月24日 19:08
ヨロンさん、こんにちは
ネット社会では氾濫ずる情報の取捨選択が非常に大事であると感じていますが、情報を発信するのが人間である以上、取捨選択の人間関係も避けられないことなのかも知れませんね。

ただ、簡単につながり簡単に切れる人間関係であっても、お互いの考えに触発されそこに信頼と敬意を表することが出来たならそれは非常に濃い、いい出会いだろうと思います。
そして簡単に切れるからこそ、そのいい出会いのチャンスが広がるのではないかと思います。

「人間は皆どこかに向かって泳いでいる。その中でふと同じ向きで泳いでいる人がいたので『一緒に泳ごう』と声をかける。するとお互い楽しい時を過ごしながら泳ぐことができた。ところがある程度進むと『じゃあ私はあっちに向かうから』とさよならを告げあっちの方向に泳いでいった。私はありがとうと言葉をかけて自分の向きに向かってまた泳ぎ始めた。」
誰が書いたか覚えていないし、文章も正しいか自信はありませんが、読んで心に残った一節です。
2. Posted by ヨロン/竹内富雄   2004年11月24日 22:17
LACさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

いいお話を紹介いただきありがとうございます。
そうですね、そういう関係だったら素晴らしいですね。
ぜひ、私もそういう受け止め方をしたいと思います。
3. Posted by わんわん   2004年11月26日 09:19
おはようございます。
ネットで知り合うとうのは、本来そういう前提があると
考えるわけですね。

しかし私は、今、付き合っている友達は殆どネットで知り合い、
そして、もうみんな親しく5-6年(98年にネットをはじめたので)
付き合っているので、私は、ちょっと意外でした。
ネットというのは、深く考え方や趣味を同じくする生涯の友を
見つける新しい手段なのだと思っていました。

そういわれてみれば、長い間には、そんな人も
いらっしゃったような・・・・不満を吐きに来る方みたいなとかね。

最近思うのは、自分が大事にできる範囲以外の領域に
友人を広げないの方が誠実なのかなと。
ヨロンさんの言われるところの、人間関係が薄くなるのが、
嫌なんでしょうね。

勿論、オフ会とかすれば、そのときはバーッと騒ぎますし、
国際ビジネス女性会議とか行くと名刺を配りまくるので、
矛盾しているようですが・・・・
それは、友を求めているのではなく、『新しい知見を発見しようと
している』のであったり、『刺激を得ようとしている』のではない
かと思うのです。

結局うまく書けないですが、
なんだかヨロンさんの分析だと、淋しい気がしました。
4. Posted by ヨロン/竹内富雄   2004年11月26日 12:11
わんわんさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

テンプスタッフという人材派遣会社の社長(女性)が著書で書いていましたが、一般的に、
・男性は、自分の領域をどんどん広げようとする傾向があり、
・女性は、自分の領域を守ろうとする傾向があるそうです。
そー言われてみるとそうかもしれないと、みょーに納得したものです。

それはさておき、ネットでの人間関係については、各自体験も違うし、求めているものも違うので、いろんな感じ方があると思います。
私の場合は、ビジネスを念頭に置いての活用が主ですから、わんわんさんがおっしゃるところの「新しい知見を発見する」とか「刺激を得る」ことが最大の狙いになっています。
そう考えれば、バーッと出会いを広げ、その中から絞り込んでいくスタイルは、ビジネスの延長そのものかもしれないですね。

一時期は、毎月オフ会で30〜40人(参加者の多くは初めて会う人)の人と会っていましたが、参加者もビジネスの視点での参加者が多かったので、得るものが少ないと感じればフェードアウトしていくという感じでした。
生涯の友を見つけたいとか、仕事以外に気軽に付き合える友を見つけることを目的にしているのであれば、そういう仲間を自然と取捨選択しているわけですから、理にかなっているのではないでしょうか。
今度、ぜひオフ会で考え方を戦わせてみましょう(笑)。
5. Posted by わんわん   2004年11月26日 15:03
男性と女性の領域設定のお話、その通りかも・・・・(^_^.)
しかし、毎月オフ会で30-40人って、
私なら消耗するな。。。さすがオフ会キングですね。
新しい人と会うのは大好きだけど、やっぱり体力いります。

オフ会とえば、ヨロンさん、就職したら、しばらく、
それどころでは
ないんじゃないですか。(笑)
って、ヨロンさんに限ってそんな事ないか。。
6. Posted by ヨロン/竹内富雄   2004年11月26日 15:58
わんわんさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

20、30代の頃は体力もあり余っていましたが、さすがにもうダメですね(笑)。
そうですね、しばらくは仕事に慣れるのに専念する予定です。
とはいえ、休みを利用してまたぞろ復活するかもしれません。
今度は、IT系の人脈づくりでも狙ってみようかしらん。
オフ会の何が楽しいって、「新しい人に出会うことによって新しいことを知る」ことですね。
世の中の出来事やからくりを知るのは、ワクワクしますよ、ほんと。

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