新しい出会いこそが脳を活性化させる『取捨選択の人間関係』の法則

2004年11月23日

給料で「幸福感」は買えない

salaryお金をとるか、ヤリガイをとるか」と聞かれたら、あなたはどちらをとりますか?
こういう質問自体、愚問だということは承知しています。
なぜなら、両立させることは可能なはずであり、多くの人は、両方考えながらバランスをとっていると思います。
それでも、あえて聞いてみたいのです。

書店に行くと、業界・仕事ごとの給料事情について書かれた本や雑誌を見かけます。
何となく気になるので手にとって頁をめくってみると、業界・仕事ごとに分けて平均給与のデータなどが紹介されています。
先日手にとった本では、銀行業界は30代で1,000万円を超え、アニメ業界は200〜300万円ぐらいのところも多いというようなことが書かれていました。


一見このデータだけ見ると、銀行員は高い給料をもらっているのだから幸せなんだろうなと思い、アニメ業界で働く人は低賃金で過酷な労働を強いられ不幸せなんだろうなと思うかもしれません。
そう思ってしまうのは、お金があると欲しい物を買えて贅沢ができるのに、お金がないと欲しい物も買えず窮乏生活に甘んじなければならない、というイメージがあるからでしょう。
では、本当のところ、お金をたくさん持っている人は、お金のない人に比べ「幸福感」を感じているのでしょうか?
そうだとしたら、私たち仕事人は、給料をたくさんもらえる仕事に就くことができれば幸せになれるということなのです。

面白い話を一つ紹介いたします。
面白いというか、ちょっと考えさせられる話かもしれません。
イタリアの北部地方に住む人は勤勉な者が多く、南部地方に住む人は怠け者が多いそうです。
(これは物語ですので、実際はどうか知りません)
ある時、北部イタリアの人が南部イタリアで商売を始めるために地元の人を雇ったそうですが、熱心に働かないので業を煮やして聞いたそうです。
「なぜ一生懸命働かないのか?」と。
すると、南部イタリア人は逆に質問しました。
「なぜ、一生懸命働かなくてはいけないのですか?」と。
それに対し、北部イタリア人はこう答えました。
「今我慢して一生懸命働けば、財ができて豊かになる。そしたらのんびり人生を楽しむのさ」と。
それを聞いた南部イタリア人は、笑いながらこう言いました。
「それなら、私たちはもうやっている。今まさに、のんびり人生を楽しんでいるのさ」

この話を笑い話ととるか、真理を含んだ話ととるかは人それぞれでしょう。
勤勉な国民性を持つといわれる日本人は、北部イタリア人に似ているかもしれませんね。
一般論ですが、常に生活費を心配し、仕事中心の生活をし、老後に不安を感じて貯蓄に勤しむ姿は、のんびり人生を楽しむということからは程遠いような気がします。
ただ、そういう国民であったからこそ、国が栄えたのであり、今日のような豊かな生活を営むことができるのも事実なのです。
だから、勤勉性そのものを否定する必要はないと思います。
大事なのは、一生懸命働くことと人生を楽しむことのバランスをとることです。

最近、「儲かります!」、「賢く儲けましょう!」というような売り文句で利殖を勧める商売や書籍が巷にあふれています。
他人を騙したり、違法行為でなければ、ビジネスとして成立するのなら、そういうことをやろうが、また自己責任でそういうのにのろうが構わないと思います。
でも、私はこういう風潮がどうも好きになれないし、そういうことを他人に勧める人もそういうことにのっている人も好きになれません。
なぜなら、それって、従来の価値観(将来のために備えてせっせと貯め込もう)と同じ線上にあると思えるからです。

冒頭で銀行業界とアニメ業界の比較を出しましたが、手にとった本の中に、アニメ業界で働く人に、「じゃ、高い給料をもらうために他の業界への転職を考えるか」と聞くと「ノー」という答えが返ってきたという下りがありとても印象に残りました。
その人にとっては、たしかに給料は安いかもしれないが、好きなことに打ち込める環境には満足しているので、その仕事にヤリガイを感じているということなのです。
つまり、その人は、給料よりもヤリガイを感じられる仕事に就くことで「幸福感」を感じているのです。

もうおわかりだと思います。
決して“給料で「幸福感」が買えるわけじゃない”ということです。
もちろん、給料は少ないよりも多いほうがいいというのは当然です。
お金で欲しい物を手に入れることができたら、ある程度の満足感は得られるでしょう。
そういう点だけでいえば、目的や夢を実現するため、豊かさを実感できる生活をするために、そのプロセスの中でお金を手段として使うことはあると思います。
しかし、お金儲けだけが生きる目的になってしまい、お金を手に入れるプロセスで払う犠牲が多かったら、「幸福感」を手に入れることは永遠にできないかもしれません。

私の弟は大学卒業以来フリーター生活を続けています。
年齢は35歳で、聞けば年収は100数十万円程度だそうです。
最近フリーターの増加が社会問題化していることもあり、私はこの弟に会うたびに説教ばかりします。
「お前、今のままじゃいかんぞ。将来大変な目に遭うぞ!」とかね。
ただ、弟は、収入が少ないので生活費を切り詰めていますが、自分の趣味の映画鑑賞には唯一お金をかけています。
お金をかけているといっても、券は金券ショップで安く購入しています。
これに対し、私は大学卒業後正社員ばかりを経験し、給料が上がるたびに少しだけ満足感を感じ、豪勢にとはいえないまでも、欲しい物はそこそこに手に入れ、飲み食いなどの遊興費にもお金をかけてきました。
生活の安定と見た目の贅沢の代償としては、仕事や人間関係上のストレス、そして時々患う病気などがありました。

弟は、時給の仕事をしながら生計を立てていますが、私と違って、仕事上の不満や愚痴はめったにこぼしません。
仕事は仕事、趣味は趣味と完全に割り切っているようです。
弟と一緒に飲むと、彼は趣味の映画の話題などを楽しそうに話します。
一方私はといえば、楽しい話題よりは、仕事上の不満や愚痴、世の中のしがらみなどをよく口にします。
弟は世間の視線を気にせずマイウェイで生き、私は周囲の目を気にしながら生きてる感じです。
給料では弟に対し圧倒的に勝る私ですが、ひょっとしたら、「幸福感」では圧倒的に弟のほうが勝っているかもしれない、などと思う今日この頃です。


yoron at 10:28│Comments(0)TrackBack(1) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 仕事人の叫び 

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1. あなたは働いて給料をもらっていますか?  [ ジャスダック上場までの軌跡 ≪日本―上海編≫ ]   2004年11月23日 17:08
現在、香港の自宅からこのブログを更新していますが、こちら香港でも大型の衛生放送のアンテナを設置すればNHKの衛生放送を受信することが可能です。BS1、BS2以外に海外向けの<a href="http://www.nhk-jn.co.jp/wp/index.htm" target="_blank">NHKワールド・プレ

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