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2004年09月20日

熟練技能者の技は宝物だ

昨日に続き、NHKのニュース番組の「大定年時代」という特集からの話題です。

ある製造企業では、熟練技能者であることを意味する“マイスター”の認定制度を設け、ベテラン社員の中から特に優れた技能者を選んで認定しているそうです。
そして、マイスターになった彼らの任務は、後輩たちに自分たちの技能を伝承していくことだそうです。


日本の製造業は世界一だといわれてきました。
しかし、昨今は、中国、韓国、東南アジアといったようなアジアの国々の追い上げにあい、その座も脅かされつつあります。
そんな国際環境の中にあって、国内では、かつての日本の繁栄の礎を築いた熟練技能者たちの大定年時代が近づきつつあり、一方では、正社員を嫌ってフリーターの道を選ぶ若者が急増しつつあり、日本が過去に培った技術やノウハウの継承の危機に直面しています。
モノづくりに限らず、あるゆる分野で技術やノウハウの継承の問題が横たわっていると思います。

ITの発達で、いろんなことが便利になり簡単にできるようになりました。
そして、ITを使う面では若者のほうが有利で、実際、ITの絡むビジネスなどでは若者が大活躍しています。
そのことは、生活水準や利便性の向上に大いに貢献しているような気がします。
ただ、世の中の進歩の過程では、必ずいいことと悪いことがあるように、急激な技術の進歩の結果がもたらした弊害というのもあるんだと思います。
その一つに、先輩社員が培った「いいもの」を後輩社員へ継承していくことが疎かになっていることが挙げられます。

もちろん、若い社員もいろんないい面や優れた技術を持っているので、先輩社員が逆に見習うべきこともあります。
しかし、人生の先輩、後輩の関係でいえば、やっぱり、先輩社員が後輩社員へ教える、教えなければならないことが圧倒的に多いでしょう。
古来よりその関係で人類の歴史がつくられてきているのであり、人類が生存するかぎりこの関係は未来においても変わらないと思います。
上の世代、先輩たちの考えややってきたことの全てを切って捨てるなどというのは不遜以外のなにものでもありません。
上の世代、先輩たちから何も学べない人が、どうして後輩に教え、後輩を育てていくことができるでしょうか。

職場で時々見かける光景ですが、パソコン操作の覚束ない年輩の社員が、申し訳なさそうな表情をしながら後輩社員に教えを乞うているなんてことがあります。
中には、若年者が教えるのは当然とばかりにふんぞり返っているオジサンもいますがね(笑)。
若手社員がここでわかっておかなくちゃならないことは、年輩社員はたしかにパソコンの操作は得意じゃないのだが、決して仕事ができないわけじゃないということなのです。
エクセルにデータを手際よくインプットできない経理部長がいたとしても、彼は事業におけるお金の流れや会社の中の経理部門の役割といった重要な点については、若手経理マンに比べずっと熟知しているのです。
よしんば、若手経理マンが知識面で凌駕していることがあったにしても、熟練技能を持った経理部長は、さらにその上をいく経験とその経験を通して養った実践的な勘があるのです。

人というのは不思議なもんで、自分の持っているものを誰かに渡したいと願います。
日頃はそういうことをあえて口にしなくても、心の中では自分の技能やノウハウを自分が見込んだ人に引き継ぎたいと思っているものです。
親が子供を教育する過程は、まさにそのものですよね。
職場という利害関係の生じる場面では、教える、教えられる関係になることに躊躇することがあっても、きっと親子関係では踏み込んでこの関係を築いていると思います。
世の中の人間関係が親子関係のようだったらいいのにね。
愛情を持って教え、教えられ、お互い期待に応え合う、、、なんて素晴らしい関係なんでしょう!

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この記事へのコメント

1. Posted by フロンティア池田   2004年09月20日 19:07
こんばんわ〜ヨロンさん!

私自身この歳になって、経験値の大切さをかみ締めています。
ですので、人生の先輩方とお話をする事が大好きになりました。
若い頃は苦手でしたが・・・

技術の伝承は、生き方の伝承でもありますね。
若い人にどんどん伝えたいですね。
そして若い人にはキャッチして欲しいと思います。

ヨロンさんがおっしゃるように、
世の中の人間関係が親子関係のようだったら
本当に素晴らしいと思います。
2. Posted by ヨロン/竹内富雄   2004年09月20日 21:21
池田さん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

そうそう、私も池田さん同様、若いときは苦手でした。
しかし、自分がだんだん年をとってかつての先輩世代になってみると、
先輩方がおっしゃっていたことが何となくわかってきました。
やっぱり、その世代になってみないと実感できないこともありますね。

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