70歳まで働くためにはどうしたらよいか

（元気なうちは、働く楽しさ、面白さを常に見い出していたいものだ）
“70歳就業法”とも呼ばれている改正「高年齢者雇用安定法」が2021年4月1日に施行されてから1年以上が経ちましたが、世の中の現実としては、それ以前から高齢労働者が仕事の現場に増えているというのがあります。
私が現在就いている施設食堂の調理補助職などは60代以上の仕事人がたくさん働いています。
学校卒業後大企業１社に定年まで勤務し、定年後は年金と個人資産を頼りに無職暮らしを続けている知人の中には、「定年後も働き続けたいという人が増えているとかメディアでは言っているけど、私みたいに働きたくない人もいるわけで、今後の世の中がそうなるとはかぎらないよ」と言う人もいました。
でもね、ぶっちゃけ、この人みたいな人は逆に今後はますます少数派になり、多くの仕事人はやはり定年後も働くようになると予想しています。
この人は、一般的にとても恵まれた労働環境に身を置いていたからこういうことが言えるのです。

実は、私は20代の頃だったかに、この知人が当時勤めていた大企業の人事部長がパネリストの一人になっていた人事制度に関する講演会に参加したことがありました。
この会社は当時国内の社員数が数万名という巨大企業で、この人事部長はたぶん50代ぐらいではなかったかと思います。
この人の講演内容で特に印象に残ったのは、「かつて、我が社の定年退職者は、手厚い福利厚生や十分な退職金のおかげで老後は何の心配もなく暮らせたようです。それが、昨今は企業をめぐる競争が激しく業績も低迷しているので、こういった安定性を維持するのもなかなか難しくなりつつあります」という話でした。
それでも、今もこの会社は相変わらず日本を代表する巨大企業のままであり、雇用や労働条件は他社に比べたらずっと恵まれています。