2020年06月27日
自分の常識を世間の常識と思わないほうがいい
(あー、それはあなただけの常識ですから)
私の初めての転職経験は、電機業界(メーカー)から建設業界へ、でした。
転職したての頃、仕事上の諸々のことで違和感がありました。
例えば、電機業界勤務時代は、仕事の標準化、マニュアル化というのがふつうだったし、商品の値段の設定のし方は、部材等のコストを積み上げた原価に利益をのせるやり方が常識でした。
しかし、私が入社した建設業界の会社には当時はそんな社風はありませんでした。
同じような転職のし方をした当時の上司からはこう説明されました。
「いいかね、建設会社というのは、メーカーの同商品・大量生産方式と違い、建物一つひとつ違うものを作るんだ。だから、標準化というのができないんだ。また、値段の付け方も、コストの積み上げ方式に基づくものではなく、最初は顧客に値切られることを折り込み済の吹っ掛け値段を提示しておいて、交渉しながら本当の値段を決めていくんだ」と。
初めてこの説明を受けた時は、そんなアホなことがまかり通るのか、何か間違ったビジネスのやり方をしていないかと思ったものですが、業界で長く働いているうちに、「そうか、この業界ではこれがふつうなんだな」と思うようになりました。
この時、自分がそれまで常識だと思い込んでいたことは他の世界では違うこともあるんだなとわかったわけですが、これは、その後、いろんな業界のいろんな会社で仕事をする経験をする度によくわかるようになりました。
例えば、私が現在身を置く飲食業界では、マニュアルその他の文書を使って仕事を教えたり、仕事のしくみをつくるという慣習があまりありません。
新人に仕事を教える際には、言葉と自分のやり方を直接見せるというやり方がほとんどです。
だから、飲食店などではいまだに「仕事のやり方は他人のやり方を見て盗むもの」などという常識が通用しています。
一方で、他業界(他社)の経験を通して培ったノウハウやスキルが生きる場面も多々あります。
一つの例を紹介します。
私の朝の仕事先は、大規模な学生寮の食堂厨房なのですが、厨房の仕事は衛生面が重要なので、時々保健所の立ち入り検査があったりします。
集団調理を行う施設では、調理した料理のすべてにおいて一定量を検食用として保管しておくことが義務づけられています。
これは、食中毒などが発生した際、その原因を後で突き止めるためです。
最初の頃は、現場の責任者の指示のもとにこれに対応していましたが、保管ルールが曖昧でスタッフが毎回いちいち確認しなければならないという面倒なことが起きていました。
そこで、私は、得意の業務標準化のスキルで、ルールを明確にし誰でもわかるように文書化しました。
そして、それを保管庫の扉に貼っておいたところ、立ち入り検査にやって来た保健所の担当者が、「ここまでしっかりやっている施設はそんなにありません」とほめてくれたそうです。
とはいえ、どんな人であっても、転職してすぐに以前の仕事で培ったノウハウ・スキルを生かすというのは難しいものです。
まずは、自分が転職した先の業界(会社)の風土を知り、仕事のやり方を覚え、その上で、自分の持っているものを生かせる分野(事柄)を見つけて、というステップを踏む必要があります。
同じ環境(会社、組織)に長く身を置いた人ほど、そこで知らず知らずのうちに身についたいろんなことが世間でも通用するだろうと思ってしまいがちです。
だから、転職した際などに、「この会社はおかしい!(自分のほうが正しい!)」と勝手に思ったりするのです。
転職を成功させるには、心得としては、“自分の常識を世間の常識と思わない”ことです。
まずは、相手のやり方に合わせてみる、相手の考え方を受け入れてみる、これがとても大事です。
そういえば、かつて、「日本の常識は世界の非常識」なんて言葉がありましたね。
この記事に共感いただけましたら、以下アイコンのクリックお願いします。
一つの例を紹介します。
私の朝の仕事先は、大規模な学生寮の食堂厨房なのですが、厨房の仕事は衛生面が重要なので、時々保健所の立ち入り検査があったりします。
集団調理を行う施設では、調理した料理のすべてにおいて一定量を検食用として保管しておくことが義務づけられています。
これは、食中毒などが発生した際、その原因を後で突き止めるためです。
最初の頃は、現場の責任者の指示のもとにこれに対応していましたが、保管ルールが曖昧でスタッフが毎回いちいち確認しなければならないという面倒なことが起きていました。
そこで、私は、得意の業務標準化のスキルで、ルールを明確にし誰でもわかるように文書化しました。
そして、それを保管庫の扉に貼っておいたところ、立ち入り検査にやって来た保健所の担当者が、「ここまでしっかりやっている施設はそんなにありません」とほめてくれたそうです。
とはいえ、どんな人であっても、転職してすぐに以前の仕事で培ったノウハウ・スキルを生かすというのは難しいものです。
まずは、自分が転職した先の業界(会社)の風土を知り、仕事のやり方を覚え、その上で、自分の持っているものを生かせる分野(事柄)を見つけて、というステップを踏む必要があります。
同じ環境(会社、組織)に長く身を置いた人ほど、そこで知らず知らずのうちに身についたいろんなことが世間でも通用するだろうと思ってしまいがちです。
だから、転職した際などに、「この会社はおかしい!(自分のほうが正しい!)」と勝手に思ったりするのです。
転職を成功させるには、心得としては、“自分の常識を世間の常識と思わない”ことです。
まずは、相手のやり方に合わせてみる、相手の考え方を受け入れてみる、これがとても大事です。
そういえば、かつて、「日本の常識は世界の非常識」なんて言葉がありましたね。
この記事に共感いただけましたら、以下アイコンのクリックお願いします。
yoron at 03:27│Comments(0)│仕事人の叫び