本当に使えるキャリアって何だ、それを身につけるためにはどうするか40代からの転職では、「使えない」という陰口は甘んじて受けよう

2019年08月10日

書を捨て現場・現実・現物を見よ、身近に学びの機会はあふれている

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仕事人の勉強や情報収集というと、読書だとか、教育機関での学習とか、社外講習会参加とか、ネット活用とか、社外交流会参加とか、自宅での通信教育とか、そういったことをすぐ思い浮かべる人も多いでしょう。
たしかに、それらは何らかの効果をもたらしてくれます。
自分の仕事に直結しているものであればすぐに役立つものもあるかもしれません。
しかし、過去そういうことをかなりやってきた自分自身の経験も踏まえていうと、実践的という点でいうとそういったものは仕事人としての成長にはそれほど役立っていないような気がしています。

例えば、こういう場面を考えてみて下さい。
あなたは長年大手企業で人事関連の仕事に関わってきたとします。
そんなあなたがその会社を何らかの理由で退職することになり、その機に過去の経験を生かそうと社会保険労務士の資格を取り、人事の諸問題を解決するプロだと称して起業したとしましょう。
起業当初はあなたはやる気満々で過去の実績や持っているノウハウ・スキルなどをアピールするかもしれません。
さて、あなたとこれまで一切接触のない企業はあなたのアピールを見てあなたと取り引きしたいと思うでしょうか。
アピールのし方がうまければ、中にはネット検索などであなたのビジネスを知り接触してくる企業がないとはいえません。


でもね、あなたも仕事人ならわかると思いますが、仮に何らかのきっかけでお互いが絡み合う関係ができても、現実のビジネスで相手に役立っている(使える)という意識を持ってもらえなければその関係はすぐ切れてしまいます。
あなたが過去の経験やノウハウを生かせると思っていても、相手の業界や企業の慣習・風土・仕事のやり方などが違えばまったく通用しないことだってあるのです。
いくら先進的な大企業で先進的なあれこれを身につけてきたといっても、自転車操業状態で社内のインフラがほとんど整っていない中小企業ではそのようなものは役に立たないでしょう。
逆に役に立つには、相手の環境、やり方を学習した上でそれに合った方法を取らなければならいのです。
そういう頭の切り替え、実践的ノウハウ・スキルこそが大事なのです。

私は自分の家を出てあちこち歩き回っている際にいろんなもの(こと)に関心を持ちます。
そして、その関心は仕事人からの視点です。
スーパーに入って買い物をする際には、スーパー内で働いているいろんな人たちの仕事ぶりを観察し、どういうことをどういうふうにやってその結果がどういうふうになるか等を見るようにしています。
トイレ使用中にトイレ掃除の人が入ってきて掃除している時も同様のことをしています。
日常の世界にはいろんな仕事人たちの成果があるのでとにかく何でも学びにつながるんです。
まったく違う仕事にみえて、実は自分の仕事に応用できることはたくさんあるんです。
例えば、デパートに入ってとても心地よくなるような接客を受けた際、そのやり方を自分もいろんな場面で応用できるようになればそこから自分の株は上がっていくでしょう。
トイレ掃除をしてくれる人のおかげで自分が気持ちよくトイレを使うことができていると思えば、縁の下の力持ちになることがお客さんを取り込む上でいかに大切かがわかるはずです。

私が言いたいのは、本を読むことも必要かもしれませんが、とにかく、現場・現実・現物を実際に見ようということです。
それはその気になればタダでいくらでもできます。
本当に安上がりで、それでいてとても効果的な学習法です。
そういうことができず冒頭でのべた学習法ばかりとっていた人は、雇ってくれる会社がなくなった時から自分では何もできない(行動しない)評論家しかなれません。
情報といえばひたすらネットやメディア情報ばかりで、それらをもとにああだこうだと論評ばかりしている人がいますが、それを自分のビジネスとして稼いでいる人ならまだしも、そうでもない仕事人がやればそれは時間の無駄使いにしかすぎません。
メディアが日々報じる国際問題に関心を持つ、日々為替や株価の動向をチェックする、有名な人が書いた企業経営論を読む、、、趣味ならいいでしょうが、それらをすることがあなたが今まさに関わっている仕事に何か役立つのでしょうか、あなたの収入に直結するのでしょうか。

視野を広げたいといろんなことに関心を持つのもいいでしょう。
しかし、仕事人は仕事ができるようになることを目指すのが王道です。
日々の実際の仕事もできないのに、仕事ができず周囲の人たちに迷惑をかけているのに仕事以外のことに多大な労力、時間を使うのはどうかと思うわけです。
過日、私が現在働いている現場に雇用先の本部の人たちが現場視察のためにぞろぞろやって来ました。
普段はめったに現場に来ない人たちです。
後で現場責任者に聞いた話ですが、その人たちは現場責任者に言いたい放題でいろんな指摘をしたそうです。
私に言わせりゃ、現場知らずの無能な人たちです。
無能と言っては言い過ぎかもしれませんが、現場も知らず、本部にあがってくる情報や自分が他で得た情報だけをもとに立場を利用して上から目線でものを言うのは組織をダメにするだけです。
せめて、できる範囲で現場に足を運び、自分の目で見て確かめて、現場の人とコミュニケーションをとって、そういったことも判断材料に活用する、それが仕事人としての本来のあるべき姿です。

今日の記事は長くなってしまいしたが、ネット利用が日常の隅々まで浸透した結果、現場・現実・現物を見て判断するという基本がないがしろにされつつあるのかなと感じる今日この頃なので、仕事人はやっぱり基本を大事にしたほうがいいよねということを言いたかったのです。
現在、私が住んでいる部屋のある建物の前では新しいアパートの建設工事が行われています。
自宅を出てこの工事現場のそばを通るたびに、工事の進捗具合、そこで働いている人たちの動きを観察するのがとても楽しいです。
誰かが口にした「今日は暑いね〜」という言葉を聞くと、心の中で「あー、そうだよね〜。この工事に関わっている最前線の現場の仕事人たちは暑さをもろに感じながら苦労を重ねているんだよな」と頭が下がる思いがします。
その思いは、どんな仕事に就いていても現場を思いやる心に通じるものがあります。
本で身につけた知識はただの知識に過ぎませんが、現場・現実・現物を自分の目で見ていると、「現場は大事だ!」という言葉に重みが出てくるのです。

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yoron at 08:36│Comments(0)仕事人の叫び 

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