自分を否定する人は無視または適当に合わせ、共感してくれる人に心を開けばよい他人に“安心感”を与えられる人になる、というのも仕事人としての目標にしていいかもね

2019年06月01日

自分で考える・決める、情報収集はしっかりと、他人の話に振り回されない、仕事人なら基本中の基本だ

居酒屋「みさと」(赤羽)
(ちょっと待った!、その決定と行動。本当に大丈夫ですか?)
私が飲食の仕事に就いて5年ほどの歳月が経ちましたが、この間わりと短期間で多くの職場(お店、施設)を経験してきたので多少なりとも業界事情がわかるようになり、飲食の仕事がどういうものかも身をもってわかるようになってきました。
そんな私に、飲食の仕事などまったく経験したこともない友人や知人から、「自分でお店をやったら?」とか「自営のほうが儲かるんじゃない?」といった話をされることがよくあります。
こういう話をされる度に、内心「またか」、「こいつアホか」と思ったりするのですが、まぁ、そこは人間関係もあるので適当に聞き流しています。

単純な業界情報だけでも、例えば、飲食店の廃業率というのはむちゃくちゃ高いし、業界内の競争環境は他業界では想像もできないぐらい激しいものがあります。
あなたがビジネス街の飲食店を利用する機会があればどれぐらい多くの飲食店が身近にあるか実感できるでしょう。
あなたは、日によって食べるものが違うかもしれません。
ある日はカレーライス、ある日はラーメン、ある日は生姜焼き定食、ある日はパスタ、などなど。
飲食店はお客さん獲得に必死なので、カレーライス専門ではやっていけないと判断したら、以前は専門店だったのに定食メニューも出すようにするかもしれません。
それで順調にお客さんが増えればいいのですが、それが逆効果になって近くの定食屋と差別化ができなくなりお客さんが減ってしまう可能性もありえます。


私に飲食店開業を勧める人の中には、「あなたには友人や知人が多いから商売もうまくいくんじゃない?」と言う人もいます。
こういうことを言う人に対しても、内心では「アホか」と思います。
「あ、あのねぇ、友人や知人が多いから商売がうまくいく、なんていう商売はないでしょう。もちろん、有利に働くことはあるけど、顔見せ(挨拶)程度でたまに来店することはあっても多くの人はそれで終わりというのが飲食店商売の現実です。あなたが自分の友人・知人が開いたお店に行くのもそんな感じなのでは?」と言いたくもなります。
そもそも、自分で飲食店のオーナーになるということは、他のビジネスと同じで会社経営でいえば社長になるということであり新規事業をやるということなのです。
そう考えると、マネジメントのノウハウは必要だし、営業力は必要だし、商品開発力は必要だし、とにかく、ただの雇われ人ではないレベルの力が必要になるのです。
逆に言えば、そういう力がないところでお店を開業するから途中で行き詰まって廃業することになってしまい、それがこの業界の廃業率の高さにつながっているわけです。

今朝、近くに住む弟と話をした際、彼から面白い情報を教えてもらいました。
私は飲食の仕事に就いていながらあまり外食をしない人間なのですが、弟は逆によく外食をする人間です。
で、弟いわく、
「兄貴、最近の回転寿司のお店ってどんなふうになっているか知っているかい?。今の回転寿司は回転していないんだぜ(かつては、ネタがのった皿がたくさんぐるぐる回っていてお客さんが勝手に取るしくみだった)。今のしくみはね、入店時に席の札を渡され、注文はすべてタッチパネル、そして注文すると初めて寿司がレーンで自分のところに運ばれてくるんだ。そして、会計もタッチパネル、食事が終わった後に席札をレジに持っていけばそこでお金の受け渡しをするだけなんだ。寿司は全部ワサビ抜きになっていて、好みに応じ席にあるワサビを付けて食べるのさ。それに、タッチパネルで注文できるのは寿司だけでなく、定食もあれば麺類もあればデザートもあればお酒等のドリンクもある。また、お店によっては、入店時の受付ではロボット(ペッパー君)が席札を渡してくれるところもあるんだよ」と。
この話を聞いて、「とうとう飲食の最前線はそこまで進化したのか」、と同時に「そんなシステムが普及してしまったら、昔ながらの寿司職人なんてますます不要になるし、個人店は競争で勝てなくなるな」と思いました。

いくつかの事例を挙げましたが、自分自身の経験、そして自分が得た情報などをもとに判断すれば、他人の安易な話にのって飲食店を開業するというのはリスクが高過ぎるということになります。
いえね、他人に言われるまでもなく、飲食の仕事に就いた当初から将来の選択肢の一つに飲食店の経営というのはあったんです。
それゆえ、常にいろんな情報は収集しているわけで、中途半端な情報しか持ち合せていない人の話を聞いても何の参考にもならないのです。
それに、何十年も仕事人をやっていていろんな仕事を経験してきたので、「お前がお店を開いたら必ず行くよ」といった類の言葉はたんなる社交辞令だということもよくわかっているのです。
だから、当たり前のことかもしれませんが、何かをやろうとする時は、“自分で考える・決める、情報収集はしっかりと、他人の話に振り回されない”というのが大事だし、これは仕事人なら基本中の基本だと思うわけです。

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yoron at 09:14│Comments(0)仕事人の叫び 

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