同じ組織に長くいると仕事がやりやすくなる半面弱さも生む就職・転職では「使いづらそう」という印象を持たれないことが肝心、特に中高年者は

2018年10月17日

仕事人はしたたかであれ、そうでなければ激しい競争社会を生き抜けない

早朝の風景(秋葉原)
(仕事人、うぶなのは新人の時だけにしておかないとね)
私は、若い頃から組織の末端の現場の仕事だけでなく、できることなら経営トップのそばで仕事をしたいという願望がありました。
なぜなら、自分が実際に身を置いている現場に関する情報は日常的に得られても、雲の上の存在のようなトップに関する情報(何を考えて経営しているのか、現場に指示命令した事柄の真の意図は何なのか等)はなかなか得られなかったからです。
そして、それはトップの考えがわかれば自分の仕事もそれに沿ってできるという思いもありました。
組織が大きくて自分のところにトップからの情報が伝わってくるまでいろんな人を経由し、長い時間を要した場合はまどろっこしさを感じていました。
もし途中の人が誤った解釈をして下に伝えたら、末端の人はその誤った情報を鵜呑みにしてしまうというリスクがあることを肌で感じていました。

おかげさまで、今日にいたる仕事人人生において、大中小の組織の規模の違いはあれど経営トップに近い場所で仕事をする機会に恵まれました。
この経験を通して、組織の上と下では共通するものも多いが(そうでなくては組織目標を実現できないので当然のことではありますが)、違う面もあることがわかりました。
例えば、経営トップは全社員に向けては夢を語り、鼓舞するようなメッセージを発信します。
ところが、裏では、身近な人や側近の幹部の前などでは泥臭いことを語ったりします。
昔からよく言われる“本音”と“建て前”の使い分けといったところでしょうか。


ある大手の会社に勤めていた時のことですが、従業員から「こんなに現場は大変で皆んなが頑張っているのだから会社は給料を上げるべきだ、他社はこれぐらいの給料をもらっている」という声が上がりました。
この声を受け、経営者は全社員向けの言葉で、「皆さんの苦労は重々承知しています。現在会社は経営的に厳しいので皆さんには苦労をかけてしまっているが、ぜひ皆んなの力を結集してこの苦境を乗り切りましょう。そのあかつきには皆さんの給料を上げることを約束いたします」というようなことを言いました。
その後、人のいない場所でこの経営者の本音を聞く機会があったのですが、漏らしたのは、「給料の高い会社で働きたいなら希望する会社へ転職すればいいんじゃないの」という素っ気ないものでした。

また、ある中小企業で働いた時のことですが、社長のそばで特命事項の仕事をよくしていたこともあり、ある時、社長から誘われて業界の親しい人だけが集まる飲み会に同伴させてもらったことがありました。
そこでは社長に付かず離れずな感じで過ごしたのですが、聞き耳を立てていたら、社長が他社の社長の前で従業員に関する悩みを赤裸々に語っている場面がありました。
“社長は孤独である”とよく言われますが、身近な存在である従業員には話せない事柄でも同じ立場の人なら相通じるものを感じ気軽に話せるのかもしれません。
たしかに、一個人にしても同じ立場の人なら同じ経験をしているので話しやすいというのはありますよね。
現実の経営は計算づくで行いつつ、裏にはこんな世界もある、そういうことがわかっただけでも経営トップのそばで仕事ができたのは本当にいい経験というか勉強になりました。

私は、以前、自分からあまりにもかけ離れ過ぎた事柄は記事にしないというようなことを言った記憶があります。
例えば、国際関係やら政治・政治家のことやら日本経済全般のことやら大きな社会問題のことやら。
なぜなら、そういった事柄について一個人が評論家気取りで語ったところで世の中に何の影響も及ぼせないないし、それに何より自分に何のメリット(利益)もないからです。
ただし、それは自らはあまり語らないということであって、他人との会話の流れなどで出てきたらもちろん合わせて語りますし、また、日頃から関心そのものは持っていて学べる部分があれば学ぶようにしています。

私は大学時代に国際関係について大いに興味があって熱心に勉強していましたが、その延長で現在も国際関係は興味の高い分野です。
国家間のやりとり(駆け引き)は、仕事人としてのしたたかさを身につける上で参考になること多しです。
これは私のこれまでの仕事人人生を振り返ってつくづく思っていることですが、激しい競争社会を生き抜いていくためには、仕事人にとってしたたかさが絶対必要だということですかね。
人は、特に他人をリードしたいという思惑を持っている人は、他人の前ではきれいごとを述べます、それも魅力的に。
しかし、人間には二面性、いや多面性があります。
かつてオウム真理教事件が世の中を騒がせた時、ある知り合いの営業マンが漏らした本音です。
「信者をあれだけひきつけたノウハウをぜひとも知りたいものだ。営業に活用できそうだから」と。
まぁ、世の中、したたかな人はしたたかに動いて利を得ているということでしょうかね。

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yoron at 09:52│Comments(0)仕事人の叫び 

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