“仕事がある”というのは、ある意味人生の空き時間を埋めてくれるということでもある自分は安全な立場にいながら相手にはリスクのあることを勧める人は信用するな

2018年07月18日

環境、立場、価値観が違うとなかなかわかり合えないものだが、経験を積むことで近づくことはできる

早朝の風景(秋葉原)
(経験を積むことがなぜ大事なのかといえば)
私が初めて飲食業界の仕事に就いた時、当時の上司や同僚からショッキングなことを言われたことがあります。
「何で大学まで卒業しながら、こんな底辺の仕事をするんだ」、「この仕事は俺たち頭の悪い人間の領域だ、大卒で頭のいい人は俺たちの仕事を奪わないでくれ」、「大学まで出ていながら今こんな仕事をしていると言ったらお前の親は悲しむぞ」、「大学出なのにこんな簡単なことも理解できないのか(できないのか)、等々。
仕事そのものよりも同僚たちの口からこういった言葉がポンポン出てくるのが正直驚きでした。
そういえば、学生時代に似たような経験をしたことがあったなと。
成績のいい人に対し成績が悪く素行の悪い不良たちが、「どうせ俺たちはバカだからよ」、「お前たちに俺たちの気持ちなんかわかるもんか」みたいな口の利き方をしていたことです。

人間性という面でいえば決して悪人ではないのでしょうが、長年の人生経験で身についてしまった価値観だとか、環境や立場からそういう言動が当たり前になってしまったのだろうと思います。
私は、飲食業界に飛び込む前はスーツ姿で仕事をする正社員でしたが、知り合いの飲食店店主から「この業界の仕事はサラリーマンしかやったことのない人間にはできないぞ」と言われたことがあります。
それは、とても厳しい環境(重労働、長時間労働、低賃金、根性論バリバリ等)なので温室育ちのサラリーマンには耐えられないだろうという意味でした。
覚悟して飛び込んでみたものの、最初からいきなり先程のような言葉を投げつけられ、知り合いの飲食店店主の言葉を改めて思い知ったのでした。
業界人としては4年ほどになりますが、この間、言葉の暴力にとどまらず、殴られたり、蹴られたり、そして血が出る傷害まで負わされるような経験もし、やっとこの仕事に就いている人たちの大変なというか過酷な環境、立場を理解でき、そこで通じる価値観のようなものがわかるようになりました。


よく、多くの人が「我々庶民は」という言葉を使います。
しかし、ここでいう庶民というのはそれぞれが置かれている環境、立場によってかなり差があります。
例えば収入面でいえば、年収700万円、800万円の人でも自分たちが恵まれているほうでない思えば庶民という言い方をするでしょうし、年収100万円、200万円の人は自分たちこそが底辺を生きている人間だと思えば同様に庶民とは自分たちのことを言うのだと主張するでしょう。
つまり、それだけ庶民という言葉は幅広く使われるのです。
ただ、年収100万円、200万円の人から見れば、年収300万円、400万円の人は庶民ではないということになり、ましてや年収700万円、800万円の人は高給取りの富裕層ということになるでしょう。
私はこれまでいろんな仕事を経験し、いろんな年収を経験してきたので、それぞれの環境や立場での価値観の違い等が何となくわかるような気がしています。
そういう点で、いろんな経験を積み重ねてきたことはよかったかなと思います。
だからなんでしょうね、まったく経験したこともないのに偉そうなことを言う人が嫌いなのは(笑)。

自分の人生経験を通して思うのは、人というのは環境、立場、価値観が違うとなかなかわかり合えないものだということです。
お互いに相手の業界、仕事を経験したことがなければ相手の業界や仕事のことについて、また相手がなぜそう考えるのかといったことがいまひとつよくわからないということです。
私が飲食業界に飛び込む前に客としては散々飲食店を利用していながら、知り合いの飲食店店主の言葉をあまり理解できていなかったということにも通じます。
飲食店にとって利用してお金を払ってくれる人はお客さんなので愛想よく丁寧に対応してくれます。
でも、それは飲食店の人が素晴らしい人間性の持ち主だからではなく(そういう人も中にはいるでしょうが)仕事だからそうしているだけのことです。
冒頭の例でもわかるように、中に入ってみたら言葉は悪いですが人間性に問題ありな人がたくさんいるのです。
そんな世界でもある程度の期間身を置いて付き合ってきたら、周囲の同世界の人たちとの付き合い方もわかってきました。
きっと周囲の人も「こいつ、なかなかわかっているじゃん」みたいに私のことを思ってくれているのかもしれません。
結局のところ、環境、立場、価値観が違うとなかなかわかり合えないものだが、経験を積むことで近づくことはできるんでしょうね。

この記事に共感いただけましたら、以下アイコンのクリックお願いします。
人気ブログ

<br><br clear=
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
yoron at 06:17│Comments(0)仕事人の叫び 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
“仕事がある”というのは、ある意味人生の空き時間を埋めてくれるということでもある自分は安全な立場にいながら相手にはリスクのあることを勧める人は信用するな