「じゃ、お前やってみろよ」と言われた時にやれる力を身につけておこう。他人はそこを見ているんだ。大病と長期失業を経験すると人生観、仕事観が変わるといわれるけど、我が身に起きると実感できる

2018年04月20日

いくら正論でも、相手の感情面を無視したら協力、信頼を得にくいということもある

df734bb4.jpg
(相手が感情的な言い方をしてきた時、あなたはどんなふうに受け取めますか?)
若い頃(いや、今でもかもしれないが)、こちらがやっていることに対し、正論だけ言って自分では何もしない人を見ると腹が立ってしかたがなかったものです。
あなたの身の周り、職場にもいませんか(いませんでしたか)?、こういう人。
あなたが上司から命令されて何かを一生懸命やっていたとします。
すると、それを傍観者として眺めていた同僚があなたのもとへやって来てこう言い放ちます。
「そんなくだらないことやっているのかね、バカバカしい。そんなことやっても何の効果もないし、時間の無駄さ。やっていることの狙いを考えたら、こうすべきだろうよ」と。
そして、その人はそばに上司本人がいないことをいいことに、あなたに自分が言いたいことだけを散々言ったあげく去っていきます。

その時、もしかしたらあなたは内心こう思いませんでしたか?
「そんなことぐらいわかっているさ。でも、こっちは上司の命令だからしかたなくやっているんだ。あの上司にそんなこと言えるわけないだろ。だったら、私の上司にそう言ってくれよ。そんな気もないくせに仕事の邪魔だけしやがって。おかげでこちらは仕事が滞ってしまったぜ」と。
たしかに同僚が言ったことは正論かもしれません。
しかし、正論を聞かされた側は自分の感情面を無視されて一方的に言われると、逆に相手に反発したりするものです。
人間には合理的なことを理解できる理性面もありますが、合理的ではない感情面もあるのです。


もし、あなたが誰かの信頼を得たいとか、協力を得たいと思っているならこのことはしっかり理解しておいたほうがいいでしょう。
私の身近で起きた直近の例を紹介しましょう。
私が現在夜働いている日本料理のお店は入店から4ヶ月が経ちました。
料理職人の世界は寡黙な人が多いのでお互いの腹の内はわかりづらいのですが、それでも時が経つうちには聞き耳を立てていると本音まじりのいろんな声も聞こえてきます。
最近聞いた声は、厨房で働く料理人たちの店長に対する不満でした。
この店長はこの店舗での勤務はそれほど長くないらしいのですが、以前の店長とは違うタイプのようなのです。
陰口の一つにこういうのがありました。
「前の店長は、厨房が忙しい時には皿洗いなど積極的に手伝ってくれたものだ。何だよ今の店長は。人には頭を使って仕事をしろなどと偉そうなことを言いつつ、自分が暇な時はおしゃべりをして時間を潰しているだけでこちらの多忙な状況がわかっていても知らんぷり。やってられんわ」と。

一人か少人数の不満分子の感情にとどまっているうちはまだ何とかなるかもしれませんが、この認識が職場全体に広がり多くの人の共通の感情となってしまうと、おそらくこの店長はだんだん仕事がやりづらくなるでしょう、最悪居辛くなってしまうかもしれません。
自分の手足となって働いてくれるスタッフたちの信頼、協力が得にくくなるということは、結果的にお店の運営、経営に支障をきたしていくはずです。
私自身の苦い経験ですが、私もかつて他の人から感情的な反発を食らい仕事がうまくできなかったことがあります。
今であればあの時はこうしたほうがよかったと思うのではありますがそれは後の祭り、その後は失敗を教訓として同じ過ちを繰り返さないよう心掛けています。
それが、“いくら正論でも、相手の感情面を無視したら協力、信頼を得にくいということもある”ということを理解した上で他人と接するということです。

かつて、強権で部下に言うことを聞かせようとする上司のもとで仕事をしたことがあります。
部下が論理的なこと言おうものなら、「つべこべ言わんで言われたことをやればいいだよ!」と怒るような人でした。
部下の立場にしてみると、「やべっ、怒らせてしまったか。相手の感情面も少し配慮しておくべきだったかな」なんて反省したりもしたものですが、よく考えてみればこれは変な話ではあります。
論理的に物事を進めるのは正論なはずで、ましてや強い立場の上司は部下以上にそのことを理解していなければならないでしょうし、部下が上司の機嫌(感情)まで気にするようになったら本末転倒でしょう。
もちろん、わかっている人はわかっています。
自分の言動が人心を離れさせていると思ったら言動を改めることができます。

昨日はお店に大勢のお客さんが入り忙しかったのですが、厨房の他のスタッフが帰った後私が一人居残って後片付けをしていたら、店長がやって来て、「いいよ帰って。後は私がやっておくから」と言ってくれました。
おそらく、店長も自分に対するスタッフの評価をどこかで聞いたかもしれないし、何となく雰囲気から察知したのかもしれませんが、気付きはこの店長にとってプラスになるのではないかと思った出来事でした。
相手の感情にも配慮するというのは、わかってはいてもできそうでなかなかできないことではあるんですけどね。
ただ、人間関係のうまい人はこういうところが自然にできるのです。
理性と感情のバランス、ほんと大事ですよね。

この記事に共感いただけましたら、以下アイコンのクリックお願いします。
人気ブログ

<br><br clear=
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック
yoron at 08:20│Comments(0)仕事人の叫び 

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
「じゃ、お前やってみろよ」と言われた時にやれる力を身につけておこう。他人はそこを見ているんだ。大病と長期失業を経験すると人生観、仕事観が変わるといわれるけど、我が身に起きると実感できる