「私の苦労をわかってほしい」と思っている人は多い。だから、他人の言動を安易に批判しちゃダメなんだ。人は自分の苦悩する姿、無様な姿を他人に見られたくないと思う。でも、その姿こそ他人の共感を呼び、他人の信頼につながるのだ。

2017年10月31日

仕事人なら「お客をつかまえる(仕事をつかみとる)」という感覚は持っていたほうがよいと思う

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(仕事って天から降ってくるわけじゃないですよね?、だったらどうすればいいか)
30代までは大手の会社のバックオフィス部門で働いていたので、正直、「お客をつかまえる(仕事をつかみとる)」という感覚は持っていませんでした。
そりゃ、仕事人だし、いろんなビジネス書を読みまくっていたので頭の中ではわかっていたような気になっていましたが、40代以降に中小企業やベンチャー企業で働いたり、パート勤務やアルバイト勤務を経験してからは、一つの会社が存続し、そこでの仕事を通して生活に必要な収入を得るには、「お客をつかまえる(仕事をつかみとる)」感覚というか、実際に自ら能動的に動いてお客をつかまえないと(仕事をつかみとらないと)生活ができなくなるリスクがあるということを実感するようになりました。

若い頃に、会社で親しくしていた営業マンと飲んだ際に、本で得た知識をもとに「うちの営業はこうすべきだ、ああすべきだ。古くさい営業をやっているから売上・利益が上がらないんだ」みたいなことを偉そうに言っては、相手から「だったら、お前が営業やって仕事をとってきてみろよ!」と反撃を食らったものです。
今だったらそんな言い方は絶対しないでしょうが、当時は若気の至りということもあって、こちらも熱くなって応酬したりしたものでした。
もちろん、組織が大きければ大きいほど役割分担し各自が専門的に仕事をしたほうが効率がいいし、会社の売上・利益増大もやりやすいでしょう。
しかし、大企業病という言葉もある通り、自分の仕事にだけ一生懸命になり、その視点からだけで組織活動を見てしまうと会社の存続にとってマイナスな思考を生んでしまいかねないリスクもあります。


今は名だたる大企業も最初の出発は一人の個人のアイデアがあって、それを一生懸命売り込み、必死にお客さん対応をしていくうちに認められ、評価され企業力をつけていって成長したのです。
その過程にこそ企業の原点があるのです。
社長などの経営者だけが全体を把握し方針を出し指示命令を出せばいいというものではなく、本来ならば、その組織で働いている人は誰でもが経営者視点で経営者のような動きをすることが理想でしょう。
それができないから分業体制にしているわけですが、そういう体制が固定化し上からの指示命令だけで動くことに慣れ切ってしまうと、悲しいかな「お客をつかまえる(仕事をつかみとる)」という感覚が薄れていってしまうのです。
でも、自分で起業したり、フリーで仕事をするような人であれば、その感覚はすぐ身につくはずです。
なぜならそういう感覚を持って動かないかぎり生活ができないからです。

私は数年前から飲食業界に身を置いて、正社員、パート、アルバイトといろんな雇用形態で働いてきましたが、特に飲食店でアルバイトで働く経験をしてからは、「お客をつかまえる(仕事をつかみとる)」という感覚を今まで以上に持っていないと生活できないという強い危機感を持っています。
例えば、現在アルバイトで働いている飲食店は二店舗ありますが、両店舗ともアルバイトはシフト制の勤務になっていて、飲食店と従業員側の都合のすり合わせの上で勤務日程、勤務時間が決まります。
ただ、実態は、売上の状況を見ながらお店側が恣意的に従業員を選び仕事を与えているのが現状です。

一週間、数週間、一ヶ月といった単位で、仕事がある日があったりない日があったりします。
そうすると、仕事がたくさんある人はそれなりの収入が得られ、仕事があまりない人は収入が少ないという結果になります。
私の職場は私以外のアルバイトスタッフは20代、10代の若者ばかりなので、当然のことながらパフォーマンスに劣る50代の私は、お店がシフトを組む際にはもっとも優先順位が低くなります。
自分でもそれはよくわかっているので、何とか仕事を入れてもらえるよう頑張る姿を見せようとしたり、直接お願いもするわけです。

中高年で大企業や安定した組織を辞めた人の中には、なかなか再就職先が決まらないと嘆く人も多く、そういう人たちの口からは「中高年の就職・転職環境は厳しい」といった言葉がよく飛び出してきますが、私が見るかぎり、そういう人たちの中には「お客をつかまえる(仕事をつかみとる)」という感覚を失っている人もいます。
求人情報を見て応募すれば決まるぐらいだったら誰も苦労しないわけで、ましてやただでさえ(応募者にとって)競争率の高い中高年の雇用市場ならば、自ら貪欲に仕事をつかみとりにいかないと決まらないのは当然なのです。

年をとればとるほど自分を取り巻く環境は厳しくなり、いろんな面でリスクも増えます。
定年後は年金と私財を頼みに生活しようと思っていても、年金財政は、支える側の勤労人口が減り、加えて社会保険料を意図的に払わない若者が増えていったら破たんするか、破たんしないまでも将来の支給額が減らされるリスクだってあります。
年とって大病にかかり、多額の治療費で貯蓄が激減してしまったり、老後を施設で送るのに大金が必要だったりするとそれも大変です。
何にしろ、仕事人として「お客をつかまえる(仕事をつかみとる)」という感覚を持って生きていれば、自分の生きる道は自分で何とかするという姿勢になり、自らの生涯を生き抜いていけるのではないかと思うわけです。

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yoron at 19:02│Comments(0)仕事人の叫び 

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「私の苦労をわかってほしい」と思っている人は多い。だから、他人の言動を安易に批判しちゃダメなんだ。人は自分の苦悩する姿、無様な姿を他人に見られたくないと思う。でも、その姿こそ他人の共感を呼び、他人の信頼につながるのだ。