変えたければ、自分で動こう、働きかけよう長い間続けた習慣はなかなか変えられないが、状況によっては徐々に変える努力も必要

2017年09月30日

その道のプロを相手にする時は、話し方を工夫しないと底の浅さが見抜かれてまともに聞いてもらえない

iphoneとビジネスバッグ
(相手に底の浅さを見抜かれたらおしまいだ)
商談の際、あるいは打合せの際、相手がその道のプロであるにも関わらず、その時に思ったことを適当にしゃべって相手にまともに聞いてもらえなかったという経験をしたことはありませんか?
逆に、相手の業界や仕事のことなどを事前によく調べ入念な準備をしてから商談、打合せに臨んだら物事がうまく進んだという経験をしたことはありませんか?
仕事人として成長するような人は、おそらく、前者のような経験をして「失敗しちゃったな、次回はもっと準備をしっかりしよう。話し方を工夫しよう」と反省し考えます。
一方、何の成長もしないような人は、失敗から何も学ばず考えずいつまでも同じ失敗を繰り返します。

大学生の頃、田舎の実家に帰省すると、両親から「お前は最高学府で勉強しているのだから何でも知っているだろう」と言われたり(両親は小学校卒)、また、大学卒業して電機会社に就職してから帰省したら、「電機会社で働いているのなら、壊れたうちのTVが修理できるだろう」とか「電線工事もできるのか」などと言われたことがありますが、これは無知ゆえの笑い話で済ませられるレベルです。
両親が私にこんなことを言って自分たちの無知をさらけ出したところで、両親も私も何の実害もありませんでした。
実は、本当に故障したTVを修理してやろうと挑戦したことはあったんですけど、やっぱり無理でした(笑)。


笑い話のレベルはともかく、これが利を得ようとする商談なり打合せなどになってくると話は別です。
私の両親のような極端な例ではなく、「こいつ、この程度しか知らないのか(わかっていないのか)」と底の浅さを相手に見抜かれてしまったら、その瞬間から話をまもとに聞いてもらえなくなります。
かつて、いろんな会社で人事採用の仕事を担当していた際、人材紹介会社、人材派遣会社、求人広告の会社などから頻繁に売り込みがありましたが、ありきたりな内容の売り込みの場合は話をまもとに聞く気になれずすぐ帰ってもらっていました。
これは例え相手が業界大手の会社でも同じでした。
これに対し、「おっ、この人は業界(うちの会社)のことをよく知っているな。提案内容もかなり突っ込んだものだ」と関心を抱いた場合はついつい長話になり、相手のペースにはまって取引につながったこともありました。

ちょっと自慢話になりますが、ベンチャーの人材会社でキャリアコンサルタントをやっていた頃、客先の建設系の会社に私が紹介した人材をそこそこ採用してもらったことがあります。
当時同じ会社でその客先に人材を採用してもらえたのは私しかおらず、建設系の業界は私の独壇場でした。
なぜそれができたのかといえば、私はそれ以前に建設業界で通算10年以上働き、業界事情に通じ、顧客がどういう人材を欲し、どういう人材なら通用するかというのを理解していたからです。
だから、競合相手が大手でもあまり気になりませんでした。
仮に、同じ客先に業界大手から売り込みをしていても、担当者が客先の業界事情や仕事のことも知らないまま会社の看板だけで仕事をしようとしていたなら、客先の担当者だってそれを見抜き相手にしないはずと思っていたからです。
本当に力のある仕事人なら、会社の看板ではなく相手の仕事人としての力量をみるでしょうからね。

私は現在飲食業界に身を置いていますが、業界経験は4年目になります。
外食をする機会が多い人でもふだんから業界のビジネスや仕事にあまり関心を持っていない人の中には、私に対し「何年も飲食の仕事をしているんなら、料理を上手に作れるよな」とか「飲食店をやれるな」などと頓珍漢なことを言う人もいます。
こんなことを言われる度に、腹の中で「こいつ、アホか」といつも思っています(笑)。
飲食の仕事には当たり前ですがいろんな仕事があります。
街中の飲食店の仕事一つとってみても、厨房の仕事、ホールの仕事があり、お店が大きければ、厨房の仕事も細分化されていて、料理作りも単純なものから複雑なものまであります。
大手飲食チェーンの厨房だと冷凍食材を使うことも多いので、それこそ電子レンジで解凍し温めて一品料理ができるなんてこともあり、そういう仕事ばかりだと自作の調理技術は磨かれません。

ある飲食店のオーナーが嘆いていました。
「和食の名店の厨房で10年働いていたという人を採用し、魚をさばかせてみたらまったくできず、魚がかわいそうなぐらいぐちゃぐちゃにしてしまった。聞けば、まともに調理に関わった経験はなくずっと下働きばかりしていたのだとか。業界経験があるといっても、実際にやらせてみないとその人の本当の実力はわからないものだね」と。
実際その通りで、本当の実力は実際やらせてみないとわからないでしょう。
ただ、採用するしないは相手との話を通して判断するしかないので、相手の話し方から判断材料をつかむしかありません。
これは先程言った商談や打合せの際の場面と同じです。
相手の話し方に底の浅さを感じたら採用しないほうが賢明です。

何らかの仕事に携わりその仕事を続けていれば、曲がりなりにもその道のプロになれます。
プロになるということはその仕事について詳しくなるということなので、その道のプロではない素人の話を聞いたら、話しぶりから「この人はあまり知らないな(本当のことは知らないな)」とわかるはずです。
そんな相手が、プロである自分に対し、知ったかぶりしてべらべらしゃべったら、はっきり言ってあまりいい気がしないのではないでしょうか。
本音では、「こっちはそんなことぐらいとっくに知っているわい」と思うかもしれませんね。
こちらがそう思うのだから、自分自身が他人に話をする時も気をつけなければなりません。
改めて言うまでもないことですが、何らかの利を得ようと誰かと向き合う時は、「その道のプロを相手にする時は、話し方を工夫しないと底の浅さが見抜かれてまともに聞いてもらえない」ということを予め頭の中に入れておくとよいでしょう。

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yoron at 09:39│Comments(0)仕事人の叫び 

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