2017年07月03日

働き方改革?、採用の現場で起きている低賃金労働者の増加という現実

いつの頃からか国が音頭を取って号令を掛け出した“働き方改革”。
この言葉を最初に聞いた時は、説明が抽象的で当たり前のことを言っているようにしか感じられなかったので、「なんじゃ、それ?」と正直呆れたのですが、メディアでもこの言葉がよく取り上げられ、どこぞやの企業では働き方改革の施策を取り始めたといったニュースを聞くにつけ、「本当にこういう流れに向かうのかな」なんて思うこともあったりします。
ただ、自分が働く職場の実態、他社の取り組み施策などのニュースなどから、働き方改革の中心の一つが、“労働時間を短くする(残業時間を減らす)”なのかなと思います。
これ自体は多くの会社がずっと前からやってきていることで、表向きは、従業員を長時間労働から解放し、心身をリフレッシュさせる、家族の団欒時間を増やす、自己啓発の時間を増やす、余暇を増やして消費を活性化させる、などいかにも美しい言葉が並びますが、一方で、裏の本音の部分では、企業にとっての大きなコストである人件費を削減したいという思惑も働いています。

基本給の高い大企業などを除けば、残業代をあてにして生活設計している人はまだたくさんいるし、パート、アルバイトなどの非正規雇用者にとっては、時給制なので労働時間の削減は即収入減になり死活問題です。
だから、有利な雇用条件で働いていて給料もそこそこもらっている正社員の中には、「あー、よかったよかった。会社が残業を規制してくれるなら、自由時間で好きなことを思いっきりやろう」と喜ぶ人もいるかもしれませんが、正社員に比べ労働条件が圧倒的に不利な非正規社員や基本給が安く残業代をあてにしている人は、「ふざけるんじゃないよ、減った給料分をどうしてくれるんだよ!」と腹を立てる人のほうが多いでしょう。
そういえば、かつて勤めた大企業で、20代前半に仕えた当時40代半ばから後半ぐらいの係長が、ある時私に、「今月は残業が多かったので給料が多かったんだ」と嬉しそうな表情でそっと給与明細を見せてくれたことがありました。
その月の私の給料が額面で20数万円だったのに対し、その人の支給額は50数万円でした。
その人は、長い間出世もせず万年係長でしたが、残業をよくやっていたので、そして会社はきちんと残業代を払う会社だったのでそれなりの高額所得者でした。


こう言っちゃなんですが、会社から見れば、個人の生活設計も大事かもしれませんが、こんな調子で人件費だけ高騰してはたまったものではありません。
人件費の上昇分を吸収できるだけの成長・収益が続くなら問題はないのですが、低成長・収益の状態になるとこれを放置するわけにはいきません。
国が働き方改革なる美しいスローガンを掲げてくれるなら、便乗して人件費の削減を進めようと考えても不思議ではありません。
それが一番わかりやすいのは採用の現場です。
これは私がアルバイトで働いている大手飲食企業の実例です。
その会社では、トップが音頭をとって社員の労働時間削減に取り組んでいるようですが、前線の飲食店はただでさえ人手が足りずてんてこ舞いしている状況だから、現場では「トップは何考えているんだ!、私たちに仕事をするなということか(お店が潰れてもいいのか)!」といった不満が噴出しているのだとか。
もちろん、会社側もそういった状況を想定し、どういう対策を取っているのかといえば、労働時間の削減で正社員の手が回らない仕事を非正規社員を雇うことで埋めようとしているのです。

非正規社員がもし優秀で、その人に仕事を教える正社員の教え方・指導が良ければ正社員の仕事時間はどんどん減らすことが理屈上は可能です(現実はなかなか難しいんですけどね)。
私の例で言えば、私の職場は正社員が2名、その他のスタッフは全員非正規社員ですが、私を採用したその店舗の責任者からは、「あなたは業界経験者でわりと早く仕事を覚えてくれるので、これからもっと仕事を増やし給料を上げたいから(実際は微々たるものでしょうが)頑張ってほしい」と言われています。
要するに、非正規社員はこういう使われ方をするのです。
結局、採用の現場では今、アルバイト、パート、外国人労働者等低賃金労働者の増加という現象が起きているんですよね。
私が以前いた飲食店にはネパール人と中国人のスタッフがいたし、現在の職場には中国人スタッフがいます。
彼・彼女らは日本人より恵まれない待遇ながら生活がかかっているので日本人以上に必死によく働き、そのため、飲食店の現場ではスタッフに外国人が増えているのが現実です。

単純計算ですが、例えば、こんな例を考えて下さい。
あなたは正社員で毎月の給料が30万円だったとしましょう。
あなたの勤務日数は20日/月で、一日の労働時間は8時間だったとします。
もし、同じ仕事を同じ品質でやれるアルバイトがいたとして、その人の雇用条件が時給1,000円だっとします。
その人は一日の労働時間は8時間だけど、25日/月働くとします。
そうすると、その人の給料は、1,000円✕8時間✕25日=20万円となります。
これより低い時給であれば、給料はより少なく、雇う側からすればよりコストを減らせることになります。
こう考えれば、低賃金労働の市場に外国人労働者が多い理由が自ずとわかるはずです。
以前からありますが、会社によっては、工場であれ事務部門であれ、部門を丸ごとコストの安い海外に移転してしまうことだってある時代です。
私が予想するに、働き方改革の実態としてこの流れは今後加速していくと思われます。
一言で言えば、より人件費の安い労働者が世の中に増える、非正規社員が増えていくといことです。
そのことは、裏を返せば、正社員の職が奪われる可能性も増えていくということでもあります。
こんな時代、あなたは何を考え、どう生きていきますか?

この記事に共感いただけましたら、以下アイコンのクリックお願いします。
人気ブログ

<br><br clear=
yoron at 09:07│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 仕事人の叫び 

コメントする

名前
URL
 
  絵文字