2017年06月20日

その組織、その立場だから人は言うことを聞く。一個人としてはそれを知っておくべし。

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(一個人としての意識の持ち方は大事)
会社(組織)の看板で仕事をするという言い方がありますが、これは、一個人だったら到底できないことを会社(組織)の名前がバックアップしてくれるということです。
ある一人の人間が学校を卒業して就職する場合、その人が世の中の多くの人が知っているような大企業や官公庁に就職する場合と、名もないような中小零細企業や組織に就職する場合では、その後のその人の外からの見られ方は大きく変わってきます。
前者の場合は、「ほぉ、XX社(XX省庁)なんですか」というふうに少し敬うような姿勢で相対されることが多いでしょうし、後者の場合は、言い方は悪いのですが「あっ、そうですか」と歯牙にも掛けないような態度をとらえることもあります。
職業に貴賤なしという言葉はありますが、他人の見方という点では差別があるのは厳然たる事実です。
どういう道に進むか(どういう仕事に就くか)は本人の自由だし、その後どういう仕事人人生を歩むかもその人自身の問題ではありますが、一個人である自分を大事にし一個人として世の中に認められる人間でありたいと思っているなら、今自分がどういう組織に属し、どういう立場で仕事をしているのかをわかっておいたほうがいいでしょう。

例えば、あなたが大企業の入社数年の若手社員だとして、あなたの部署に出入りしている中小企業の社長があなたにペコペコを頭を下げてくれるとしたら、それは明らかにあなたの実力を認めてというよりあなたの所属する会社(組織)に対し頭を下げているのです。
あなたが所属する会社(組織)が盤石であり相手に大いなる利益をもたらしていればいるほど周囲はあなたをちやほやしてくれます。
ぶっちゃけ、あなたが金づるになると思えば、百戦錬磨の人間ほど手練手管を使ってあなたを取り込もうとします。
腹の中では「この世間知らずの若造が」と思っていても、愛想の良い表情で「はい、かしこまりました」なんてへりくだった態度で接してくれたりします。
中小零細企業で働いた経験があったり、中小零細企業の社長(創業者)たちと個人的に付き合った経験がある人はある程度わかるかもしれませんが、彼・彼女らはそうとうしたたかです。
目の前の相手とやりとりしながら瞬時に頭の中で自社の利益を計算するなんてことはお手のものです。
極端な話、儲かる思えば一挙に勝負を仕掛けてくることもあります。
何せ大企業の一勤め人と違って全権限を持っているので判断・決断・行動はスピーディです。


取り引きの関係に限らず、利害関係で結ばれている人間関係においては、その組織、その立場だから人は言うことを聞くというのがあります。
逆に言えば、利害関係がまったくなく(あるいは利害関係があったのが何かをきっかけになくなり)、相手と付き合うメリットを何も感じなくなれば、それまでの付き合い方を変える人はたくさんいます。
というか、それがふつうでしょう。
例えば、ある組織で上司と部下だった関係の人が、どちらかが退職してその組織から去った時、その後以前のような付き合い方をするかといえばそうではないでしょう。
元上司だった人があなたの目の前に現れて当時の関係のように命令口調でものを言ったら、あなたは「ふざけるんじゃねーよ、あんた。もうあんたの部下じゃないんだよ。当時は部下だったから黙って聞いていたけど、今は関係ねーんだよ」と言い返したりしてね。
かつて、こんな経験をしたことがあります。
現役を引退し既に会社を去った元社長がその人個人がやっていることを会社の社員に手伝わせようとした時、それを知った現役の社長が元社長に引導を渡したのです、「一私人なんだからもう会社に関わらないでくれ」と。
元社長は在任期間が長かっただけにまだ力が及ぶはずと思い込んでいたのか怒っていましたが、結局何の力も及ぼせないのでその件は現役社長の一言で一件落着となりました。

これは私自身だってそうです。
以前に上下関係や利害関係があろうが、現在の関係では何のメリットもない一個人同士の関係ならば、相手がもし当時のままの意識で不遜な態度をとるようであれば許容しません。
逆に、相手が自分の状況をわかっていて一個人としての付き合いを求めるのであれば拒絶する理由はありませんから、こちらも素直に受け入れて付き合いを続けるかもしれませんがね。
かつて、ある縁で大手ハウスメーカーのOB会のような会にその会社とはまったく無関係の私が参加したことがあります。
その会に参加していたのは、その会社のOB(退職後自営などしている人たち)と子会社の社長、それと現役のある程度肩書のある社員が一人参加していました。
会社関係者の集まりだから仕事絡みの話題(苦労話など)で盛り上がっていましたが、気付いたのは、どうやら、OBたちはその現役社員を窓口として会社から仕事を回してほしそうにしていることでした。
「おいA君、たまには仕事を回してくれよ」といったことをOBの一人が言っていましたが、その場にいたOBたちはAさんのことを知っている人ばかりで現役時代はAさんより地位の高い人ばかりのようでした。
Aさんのほうに目をやると、口では「はい」とか「いやぁ、私も力なくてなかなかお役に立てないんですよ〜」などと言いながら、その手の話を振られると、戸惑っていたというか半ば迷惑そうな表情をしていたのが印象的でした。

これも私自身の例ですが、かつて会社員バリバリだった頃、よく社外の異業種交流会で出会った人や社外の人と名刺交換をしていました。
その時は、当然のことながら自分の仕事、自社のビジネスをそうとう意識していました。
特に自社のビジネスにつながり利益になりそうな相手に出会った時は、個人的には相性が悪そうな相手でもへりくだって丁寧に対応し何とかビジネスにできないかななどと考えたものです。
まぁ、仕事人としては当然かもしれませんが儲けようという魂胆があったわけですね。
しかし、現在のようにそういうことをあまり意識しない状況にいると、対人関係では対等な付き合い方しか欲しません。
相手がどんな会社(組織)に属していようが、どんな肩書の人だろうが、それを知っても「あー、そうですか」で終わりです。
会社(組織)の看板で仕事をしているのをわからず偉ぶる人には、こちらはもはやそんなものを気にする必要はないので、「はい、さよなら」という感じです。
ある大手企業に勤めていた頃、当時の上司が私の個人的な趣味の会に興味を示したので一度だけ連れていったことがありました。
ところが、私的立場での参加のはずなのに会社での上下関係丸出しの言動をしたので、以来その上司との付き合いは距離を置くようになりました。

仕事人の姿としては、自分の仕事の目的がわかり、自分のやるべき役割がわかっていて仕事をするならそれは立派なことです。
また、自分の仕事を遂行するために、有効なのであれば会社(組織)の看板を大いに利用することも大切です。
ただ、繰り返しになりますが、一個人である自分を大事にし一個人として世の中に認められる人間でありたいと思っているなら、今自分がどういう組織に属し、どういう立場で仕事をしているのか常に念頭に置いておいたほうが賢明です。
定年退職した夫が家庭で奥さんはじめ家族から邪魔者扱いされるとか、地域社会にうまく溶け込めない(勤め人時代の習慣が仇となって周囲の人とうまくやっていけない)といった話は以前からよく聞きますが、自分が置かれた環境によって意識を変えるというのはとても大事なことであり、一方でなかなか難しいものでもあります。
状況に応じた意識の持ち方、あなたはいかがですか?

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yoron at 08:03│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 仕事人の叫び 

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