2017年05月13日

好条件の転職は、自分のプライドや周囲の冷たい態度で失敗するリスクも伴うものだ

若い時に日系の大手企業で働いていた頃は、「この会社では力を発揮しても若いうちは給料を大幅に上げることも昇進するのも難しい。年齢に関係なく能力主義の制度が整っている会社で、もっと私の能力を評価してくれる会社で働きたい」とよく思ったものでした。
特に20代後半から30代ぐらいまではそんな思いが強かったように思います。
そんな思いを実行に移すべく、これまで何度か転職を重ねてきました。
当時の私は、“キャリアアップ=年収やポジションアップ”という考え方でしたから、転職先から提示された条件がそれに叶っている場合、その転職は私にとって成功といった認識でした。
だから、転職した直後は希望が叶ったと嬉しかったですね。

しかし、これは自分自身の経験を通して、あるいは他人の同様の転職を見ていてもわかったことですが、好条件の転職は、自分のプライドや周囲の冷たい態度で失敗するリスクも伴うものです。
好条件で迎え入れられたことで、「この会社は私の能力を高く買ってくれている。その期待に応えられるだけの力を発揮しなくては」という意識が強くなると同時に、前職時代で培った自分の実力に対する過信もあって肩に力が入り、周囲をよく観察して状況把握をしないままあれこれやろうと意気込んでしまうことがあります。
短期間で何かしらの成果を出せていないと、「そろそろ会社にアピールできる成果を出さないと」という焦りみたいものも出てきます。
これは本人の問題ですが、もう一つ、その人を受け入れた会社、配属された職場の受け止め方の問題もあります。
その人がどういう条件で採用されたかを知らない人は多いかもしれませんが、例えば高い役職で入社してきたら好条件で採用されたと誰もが考えるはずです。
そうすると、その人より地位の低い人たちなどは、その人の一挙手一投足が自分の仕事にどんな影響があるのか戦々恐々としながら、「さて、この人はどれぐらいのことができるのだろうか」と冷めた目で言動を注視したりします。


一般社員かそれに近いポジションでの転職の時は、周囲も気軽に話し掛けてくれたり、いろんなことを教えてくれたりしたのに、それなりの重要なポジションで転職したら、周囲からのそういった対応がなくなったという経験をした人もいるのではないでしょうか。
もちろん、その人の心構えや言動のし方によって周囲の反応をある程度変えることはできる部分もありますけどね。
かつて勤めた中小企業には、世間で名の知れた大手企業から転職してきて、本部長だの事業部長だのマネージャーだのといった重要ポストに就いた人たちもいたのですが、中には、「この程度の組織の会社だったら私がどうとでも変えてみせる」みたいな傲慢な態度をとる人もいて、そういう人は残念ながらうまくいかず去ってしまう人が多かったような気がします。
自分では傲慢な態度をとっているつもりはなくても、受け入れ側の人間がそばで見ているとちょっとした相手の言動からそれを察することはできるんです。
これもかつて勤めた会社でのことですが、人柄もよく話しやすいのに、何かにつけ「前の会社はこうだった。こういうやり方のほうが効率的だよ」とよく口にする人がいて、周囲から敬遠されがちな人がいました。

郷に入っては郷に従え』という言葉の意味をわかっていながら、いざそれを実践するというのは意外に難しいものです。
従業員一万人の会社でそこそこ力を発揮した人が、従業員数百人、数十人の会社の会社のトップに請われてトップの片腕として採用されたとしても、まずは自ら現場に飛び込んで現場の空気を吸い、現場のやり方に合わせ、現場の人間関係を築く努力をしないことには何事もうまくいかないのが現実です。
転職する時は、多くの人が「現在よりも少しでもいい条件で」と考え、特に若い時にはその考えが強いでしょうが、好条件での転職は先程言ったようなリスクがあることを知っておくといいかもしれません。
年を取れば取るほど、いい意味でも悪い意味でも自分の考え方が固まってきてそれがプライドになり、それ自体が転職の際のリスクになりやすいのです。
目の前で行われている仕事が非効率だとすぐわかっても、自分の力が発揮できる機が熟するまでは深謀遠慮しながら動くといったような高度な技を使うことが転職を成功させるためには必要だったりします。
何度か転職を経験したことがある人なら、このあたりのことはわかっていただけるのではないでしょうか。

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yoron at 08:25│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 仕事人の叫び 

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