真面目、正直なのはいいことだ。しかし、仕事人の世界はそれだけではうまく渡れない50代からの仕事と健康、その後の人生において大事な二本柱

2017年03月11日

大企業勤務時代、中小企業からの転職者に「世間知らず」と言われた意味

大学卒業後から今日まで8回転職していますが、最初の頃は大企業が続いていました。
大企業を選んだのは、中小企業に関する情報をほとんど持っていなかったので、ひとまず大企業であればいろんな面で安心かなと思ったからです。
ある大企業で働いていた頃、同僚に中小企業から転職してきた人がいましたが、その人から「お前は世間知らずだな」と言われたことがありました。
当時は、こちらも仕事で頑張ってそれなりに苦労しているという思いがあったので、「こいつに私の苦労の何がわかるってんだ」と反発心を抱いたものです。
しかし、その後、自分自身が中小企業を含めいろんな会社を渡り歩いてみると、その人が言っていたことの意味がわかるようになりました。

要するに、その人が言いたかったのは、世間知らずというのはいろんな情報を持っていないとかそういったことではなく、安定している、恵まれている会社以外で働いた経験がないことによる危機感の欠如みたいなことだったのでしょう。
そういえば、かつて勤めた中小企業の元同僚が大企業に転職した後に一緒に飲む機会があったので、仕事に関する話を聞いたら、彼はこんなことを言っていました。
「今の会社の人間は仕事のし方がぬるいね。前の会社ではお客さんからクレームがあったらすぐ飛んでいって対応したのに、今の会社では関係者が集まって話し合っているわりには物事がなかなか決まらないんだ。まったくじれったくてしょうがないよ。こんなことをしていたらお客さんに逃げられちゃうよ」と。
要するに、吹けば飛ぶような中小企業では顧客の機嫌を損ねたら即業績に悪影響を及ぼしかねない危機感が共有されているが、世間で名の知れた大企業ではへんな縦割り意識があって危機感が共有されず問題が他人事になってしまっているわけです。


私も大企業に長らくいましたからわかりますが、大企業には熱心に勉強する人はたくさんいます。
だから、情報や知識を持っている人はたくさんいますし、自分の意見を論理的に述べられる人もたくさんいます。
会社によってはわざわざお金を投資していろんな研修を受けさせてくれたりしますしね。
ただ、それは机上の勉強スタイルも多いんです。
悪い言い方をすれば、宝の持ち腐れのようなもので、実践では役立たない勉強です。
大企業にいると、仕事道具や仕事に快適な職場環境は会社側が提供してくれ、かつ、福利厚生面がしっかりしている会社であれば自己負担も少なくてすみます。
私は時間給しか恩恵のない仕事をした経験がありますが、こういう環境では、社会保険料も自分で何とかしないといけないですし、健康管理も自分でしないといけません。
大企業時代の給与明細にはいろんな項目で控除されるものがたくさんあり、それは後々の生活の保障に役立ちますが、法令違反を無視しているような中小企業だとそういうものがほとんどなく、健康でも害して働けなくなったらそれで終わり、それはすべて自己責任という感じです。

これまでいろんな仕事を経験してきて思うことは、大企業であれ中小企業であれ、それぞれに一長一短あるということですかね。
安定感、全体的な給与水準、福利厚生、休暇等、与えられるものだけで見ると大企業勤務のほうがよさそうにも見えますが、でも、人は、仕事の充実感、ヤリガイ等、精神的なものも求めるものなので、人によっては中小企業のほうが働きやすいという人もいるのです。
いずれにしろ、他人から「世間知らず」と言われたら、反発するだけでなく、どういうことでそう言われたのかそのことに興味を示し、自分に足りないものを学んで身につけていくぐらいの姿勢は持っていたいものです。

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