2017年02月02日

まず重視すべきは自分自身の経験で感じたこと、次は当事者の経験談

百聞は一見に如かず』ということわざがありますが、ネット上で多くの情報が流通している現代においては、ますますそれが重要な気がします。
自分で実際に経験したわけでもないのに第三者が書いたものから情報を集めてさも自分がそのことに精通しているかの如く情報を発信する、そして自分で情報の真偽を確かめられない人や他人の噂話が好きな人はそういうのにコロっと騙されて信じてしまい、自分もそれを周囲に拡散してしまう、そんな現象があちこちで見受けられます。
FacebookなどのSNSでは、第三者が発信する情報をシェア機能で拡散することができるので多くの人が気軽に情報を拡散しています。
拡散する人は自分なりによかれと思い、より多くの人に教えてあげようとしているのでしょうが(中には自分の影響力を高めようという思惑の人もいるかもしれませんね)、その情報が本当かどうか自分で確かめるのは難しいので、場合によっては嘘の情報を拡散してことだって十分考えられます。

私はこれまでいろんな業界でいろんな仕事を経験してきましたが、業界のことやその仕事のことをまったく知らないような人がああだこうだとを言うのを聞くにつけ、「何言ってんだよこいつ、トンチンカンな話ばかりしやがって。もう少し業界やその仕事のことを調べてから言えよ」と思ったものです。
はっきり言いますが、仕事の参考にするという点においては、その業界やその仕事をまったく知らない人の話は何一つ参考になりません。
いくらある分野で著名な人が自分が知らない分野についてあるべき論などを語っても、知らない人なら「なんて素晴らしい話だ」と尊敬の念を持って聞くかもしれませんが、よく知っている人が聞けばアホらしいと思うだけでしょう。
かつて、経営企画の仕事に関わっていた頃、当時若かったにも関わらず全社の各部署を回って会社の方針を伝えるという大役を担ったことがあります。
けっこう大きな話を各部署のお偉いさんを含めた全部員の前でしたわけですが、何となく多くの人が「何言ってんだこいつ、現場のことを何も知らないで。時間が無駄だから早く終わってくれよ」というような表情だったことが記憶に残っています。


そうなんです、現場の人たちが外部の人間にわかってほしいのは、まずは自分たちが置かれている環境や自分たちが苦労していることの現実なんです。
そのことを理解した上で、それらの苦労に共鳴した上で話しをしないと相手は聞く耳を持ってくれません。
「いろいろ大変みたいだね」などと他人事の言い方ではなく、「そうとう苦労していることがよくわかるよ」と相手に寄り添った言い方をしないとダメなんです。
それなのに、そういうことを一切せずに、最初から「そんなやり方をしているから非効率なんだ。もっと頭を使って効率的なやり方をして下さい」などと上から目線な言い方をしたら、相手はカチンときてもはや話しを聞く姿勢にならないでしょう。
日本に進出してくる外国の企業は多いのですが、経営に失敗し撤退を余儀なくされる企業は、おそらくこういった人心の把握に失敗しているんだと思います。

先日、官公庁で働く兄と話をする機会がありましたが、兄の仕事の経験談はなかなか面白いものでした。
仕事柄、最近はアジアの国々に出掛けてプロジェクトの商談をすることも多いようですが、国によっては、政府関係者と話をつけても、実際動く人には話もお金も回らないので大変なんだとか。
例えば、マレーシアは国の機関にはマレー系の人が多く、彼らは国のお金を自分の懐に入れて生活している、だから、日本がODAなどで援助金を出すとそのお金は実際のプロジェクトに回る前にかなりの部分が利害関係者の懐に入ってしまう、一方で、実際現地のビジネスを回しているのは中華系の人なので、彼らに話しやお金が回らないとプロジェクトは動かない、そういう事情があるので、商談は国の関係機関と現場を仕切る企業の両方に対して行わなければならないそうです。
こういう現実を知らないと、ニュースなどで日本政府がアジアの国々に多額の資金援助をしたと聞いて、「これで援助された国はどんどん開発が進み、日本に感謝してくれるだろう」と思い込んでしまいかねません。
こういう話しを聞くにつけ、当事者の経験談を聞くのは大事だよなとつくづく思うわけです。

これは私のこれまでの人生経験を踏まえて思うことですが、まず重視すべきは自分自身の経験で感じたこと、次は当事者の経験談かなと。
ありきたりな一般論や現実を無視した理想論は聞くだけ時間の無駄のような気がします。
もちろん、理想論の中にも聞くに値するものはありますが、それはその理想論を語っている人が自らその理想に向かって動いている時です。
私は現在飲食業界(飲食店)で働いていますが、業界のことをよく知らない人から、「飲食店ってやり方によってはすぐ儲かるうまい商売だよね」と時々言われることがあります。
たぶん、お金がある程度あればお店はすぐ作れるし、商売もそんなに難しくないと思っているんでしょうね。
でもね、私もかつてそう思った頃がありましたが、自分で実際に身を置いてみると、この商売で稼ぎ、しかも長期間にわたって繁盛させていくのはかなり難しいというのが今の見方です。
これは、業界関係者であれば多くの人が同じ思いでしょう。
ネット上やいろんな媒体で情報が氾濫している時代であればこそ、自分自身の経験で感じたこと、当事者の経験談を重視して「何が本当なのか」、「どの情報が自分に役立つのか」見極める力を身につけることが大事だと思うのです。

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yoron at 10:53│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 仕事人の叫び 

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