2017年01月25日

長くその仕事に関わったからといって「その仕事ができる」と思い込んではいけない

中高年になって勤め先を辞めた人が、それまで長年関わっていた仕事のノウハウ・知識・人脈などを生かして起業するケースはよく聞きます。
しかし、過去にどれだけその仕事に長く関わっていたからといってビジネスがうまくいくかどうかなんてわからないものだし、逆に、長年やっていたから「その仕事はできる」という思い込みが失敗の要因になりかねません。
長年IT業界でエンジニアの仕事をしていたからといって、日進月歩で技術革新の激しいこの世界は過去の仕事のノウハウ・知識なんてアッという間に陳腐化してしまうので、起業後も日々新しい流れをつかみ新しいノウハウ・知識を身につけていかなければなりません。
これは他の仕事にも言えることです。
長年企業採用の仕事に関わっていても、学校回りの採用業務しかやったことがなければ、今のようなネット採用時代においてはとまどうばかりでしょう。

プロとアマの違いを問うと、「お金もらってやるのがプロ」で「お金もらわないでやるのがアマ」と答える人がいますが、単純なわかりやすい定義ではあるように思えるものの、今の時代そんな単純な切り分け方はあまり意味がありません。
こういう例を考えてみて下さい。
一定の技術や知識を持っている人なら対応できるはずの仕事を、その分野を専門とする会社に依頼したとします。
ところが担当者はその仕事ができず、しかたなく別の人が代わりにやったとします。
会社にとっては誰であれ引き受けた仕事を完遂したわけだから事なきを得たともいえますが、依頼した側(人)はなんか釈然としないものが残るでしょう。
「あの人はプロのはずなのに何でできないのだ」と。


できない仕事人に「お前はお金をもらっているんだからプロらしい仕事をしろよ」と言うのは簡単ですが、言ったからといってできない人が急にできるようになるわけではありません。
まぁ、会社組織の場合は、そういう場合は能力に応じ適材適所で配置変えなどするかもしれませんがね。
転職を経験した人なら実感できるかもしれませんが、ある会社で長年同じ仕事に関わっていても、別の会社の同職種の仕事が同じやり方をしているとは限らず、求められることも違うことがあります。
そういうことに気付ける感覚があれば起業した際の行動はおのずと変わってくるでしょう。

過去に出会った人に聞いた話は、ある意味笑い話のような話でした。
その人は大手の信託銀行に長年勤め部長職まで出世し、定年後の第二の人生として、長年関わった不動産関係の仕事で生計を立てようと取得していた不動産鑑定士の資格を生かすべく不動産鑑定の個人事務所を立ち上げたのだとか。
で、彼は過去の実績が十分あるのだから自宅を事務所にし表に事務所の看板を掲げれば自ずとお客さんはやってくるだろうと考え、それだけのことしかやらずお客さんの来訪を今かいまかと待っていたそうです。
しかし、誰も来ないどころか、知り合いに連絡してもいい反応はなかったのだとか。
さすがに焦って考えを改め、その後自ら外に出て顔を売るなどして営業活動をしているとのことでした。

今でこそ現実がわかりいろんな事情を知っているのでこういうケースを一笑に伏せるのですが、かつての私も程度の差こそあれこの人に近い感覚があったかもしれません。
つまり、会社の看板があればこそできていた仕事やそれによって出せた実績を自分の純粋な力だと思い込んでいたということです。
そういう錯覚を起こさないためには、常に自分や自分の仕事人としての力を客観的にみておく必要があります。
世の中が常に流動的であるように仕事も流動的なものです。
だから、長くその仕事に関わったからといって「その仕事ができる」と思い込んではならず、自分のやり方やノウハウ・知識が通じたのはそれができる環境に身を置いていたからと考えたほうがいいのです。

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yoron at 10:21│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 仕事人の叫び 

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