あなたを否定する他人は、実はあなたの考え方の整理に役立っている世の中の動きに関心を持ち大局を語るのもいいが、実益になり自分の成長に役立つのは自分がやれることをやることだ

2017年01月19日

本気で何かをやろうとする時は、裏事情をよく研究した上で覚悟を持つべし

人生においては、何かをきっかけに何かを成し遂げたいという思いが高まる時があるものです。
思いが高まると前向き思考というか早速何か行動を起こしたいという気持ちが強くなりがちです。
例えば、起業で成功した人の本を読んだり、その人の話を直接聞いたりして自分もやってみたくなることがあるでしょう。
しかし、ここで一番気をつけなければならないのは、慎重さを欠き、自分がやろうとしていることの裏事情を十分研究することなく、また失敗した時の覚悟なく、前のめりになって行動を起こしてしまうことです。
何かを成し遂げるにおいてはもちろん勢いも大事ではありますが、 “熱い心と冷静な思考”の両方のバランスがもっと大事です。
周囲から「いいじゃないか、やれやれ。応援するよ」と煽られても、こういう場合はほとんどの人が無責任に言っているだけなので、自分の頭でしっかり考えることが必要です。

以前、起業を考えたことがあって既に起業していた人に意見を聞いたことがあります。
その人からいただいたアドバイスはこういうものでした。
「お前の考えを聞いているとものすごく甘さを感じる。自分の構想に浮かれてしまい、成功すると勝手に思い込んでしまっていて失敗した場合どうするかが折り込まれていない。今のレベルじゃ起業はお勧めしない。それに、いざ起業すると、世間の冷たさを嫌というほど感じる経験を何度もすることになる。そのあたりのことをお前はわかっていて覚悟はできているのか」と。
その時は言われたことにピンときていない面もあったのですが、その後いろんな経験を積んでいく中で、「あの時あの人が言っていたことはこういうことだったのか」と思い当たることがしばしばありました。
例えば、そこそこ世間に名の知れた大企業から名もない中小企業に転職したら、世間や周囲の視線や接し方が大きく変わったことを感じたものです。
お互い大手企業勤務の者同士で名刺交換する時は相手も丁寧な対応をしてくれるのに、こちらが名もない中小企業の勤め人だと完全に見下した態度をとられるとか。


私は現在飲食業界で働いていますが、この世界では、料理人や飲食店経営者になるのを目指す人も多く、そういう人の中にはある期間を修行にあてる人がいます。
この業界は、一般的に低賃金・長時間労働・コンプライアンス意識希薄という特徴があり、そのため修行期間中は苦労する人がたくさんいて、中にはそれに耐えられず途中で夢を諦めたり、他の業界に転職する人もけっこういます。
かつて人材紹介の仕事をしていた時にそういう挫折タイプの人たちによく会ったものです。
時々、一流などとメディアで取り上げられる料理人が、若い頃一流のお店で無賃で働き腕を磨いたみたいな苦労話が紹介されることがありますが、こういう時は必ず裏事情があります。
よくあるケースが、親が飲食店をやっていて子供に跡を継いで欲しいために資金援助をしていたなど、無賃でも暮らしていける環境があることです。
単純に考えればわかることですが、資本主義の世の中にあって、誰の援助もなく無収入、無資産状態で暮らせるはずがないのです。

私は50歳を目の前に覚悟を決めてこの業界に飛び込みましたが、現実は想像以上に厳しいものがあります。
現在飲食の仕事に就いて三年目ですが、まだ修行の身の上なので収入が本当に少なく貯金を切り崩しながら生活を何とか維持しています。
この間ずっと支出が収入を上回っている状況が続いているので、こういう生活を数年続けたら、目指している目標はあっても「日々生き抜くにはどうしたらいいか」を毎日考えます。
こんな私に、「世間ではそういうことはよくあることじゃないか。お前も諦めず頑張れよ」などと自分では同じ状況を経験したこともないのに気軽に言う人がいますが、こんなことを言われる度に内心では苦々しい思いをしています。
先程も例に出しましたが、表面的なメディア情報などを鵜呑みにすると美談の部分だけに焦点が当たりますが、裏事情までわかっていれば安易な言い方はできなくなるでしょう。
他人の言動はどうあれ、本気で何かをやろうとする時は、裏事情をよく研究した上で覚悟を持つことが大事だと思うわけです。

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