気分は悪いが、揉め事は経験しておいたほうがよい、学ぶことが多いから贅沢なる貧乏生活?

2016年09月08日

対組織にもの申す時は、うまく伝わらないことを念頭に置くべし

最近、ある件で役所と電話でやりとりをしているのですが、対応する担当者が違うと同じことを言わなければならず、また担当者が自分で判断できず上司に取り次ぐと、上司がこちらの用向きを把握していないため最初から説明しなければならないなどまどろっこしい思いをしております。
組織が大きく、ましてや役所となればさもありなんと覚悟はしていたものの、そういう反応が返ってくる度に落胆するばかりです。
いえね、私は逆の立場を経験しているからこういうことが起きるのはよくわかるのです。
若い頃大企業に勤めていましたが、社内外からの電話を受けた際、相手の言っていることがよくわからないと、自分で十分に理解していないのに面倒から逃れるためその電話を上司に回していたりしました。
自分で理解していないのだから相手の言っていることの趣旨はうまく伝えられないわけで、その時どうするのかといえば、完全に内容は無視して、「課長、XXさん(という方)からYYの件でお問い合わせが入っています」みたいな伝え方をするわけです。

そうすると、相手は自分が電話口の人に一生懸命説明したと考えていればいるほど、同じことを別の人に言わなければならなくなり、落胆すると同時に腹が立ったりするのです。
二人の人物ですめばまだいいほうで、これがあちこちにたらい回しにされるようなことになると落胆ぶりは容易に想像できるでしょう。
真偽のほどはともかくとして、かつて興味深い話を聞いたことがあります。
警察機構で何か不祥事が起きた際、外部の人がそれについて追及しようとすると機構内の関係者が組織変えで違う部署へ異動していたりして、なぜか詳細が不明とかで曖昧な回答しか得られず、そうこうしているうちにその件がうやむやになって立ち消えになってしまうことがあるのだとか。
本当だとしたら怖いことというかとんでもないことですが、でも、例えば、企業の商品やサービスで不利益を被った一個人が企業に立ち向かおうとした場合、相手が大きければ大きいほど同様の対応がなされる可能性がないとはいえません。
組織が悪い方向で力を発揮すれば、そういうことだってできてしまうのです。


そういえば、かつて勤めた中小企業時代、こんなことがありました。
ある時、何かの会合である中小企業の役員クラスの人と会ったことがあります。
その人とは初対面でした。
言葉を交わしているうちに、その人は私の勤務先の事業に興味を持ったらしく、商談させてほしいと言ってきたのです。
そこで、私が当時の上司を紹介する旨話しをしたところ、その人は言いました。
「あなたの上司ではなく、社長を紹介してほしい。直接トップと商談したい」と。
私がさすがにそれは難しいと答えると、相手はややがっかりした様子でこう言ったのです。
「中小企業はトップがすべてだ。それ以外の人と話しをしてもらちが明かないし、決裁権限がない人が相手では物事がスピーディに進まない」と。
私は自分が小者扱いされていることに一瞬むっとしましたが、ただ、この人の言うことは的を射ていると思ったものです。

組織というところで働いていると、組織の構成員である一人ひとりはやれることが限定されます。
また、組織は甘えの構造も生み出し、無責任体質みたいなものもつくってしまいます。
あなたの身の回りにもいませんか、口ではかっこいいことを言うけど自分で動こうとはしない人が、責任の重い仕事は極力引き受けないようにと逃げ回る人が、あるいは、失敗やミスの責任を他人に押し付けようとする人が。
こういった組織を相手にものを言う時は、冒頭の例でも述べた通り、自分が言ったこと(伝えたかったこと)がうまく伝わらないことを念頭に置いておいたほうがいいでしょう。
私は広報の仕事を経験したこともありますが、いろんな広報ツールを駆使してさえ組織の隅々に伝えることの難しさを実感しています。
まぁ、そんな諸々の経験も踏まえながら思うことは、対組織にもの申す時は、うまく伝わらないことを念頭に置きつつ、どうやればうまく伝えられるかを考え、うまく伝わらなかった時次にどういう行動をとるかを考えておく、そんな戦略思考を持つことが重要だということでしょうか。

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