「正直に働け！」かぁ。。。

先日久々に実家に電話をかけ、母と少し話しをする機会がありました。
（私の実家は鹿児島県最南端の島“与論島”にあります。私は現在東京在住）
母はもう齢８０近く。
実家は農業（サトウキビ）で生計を立てているのですが、母いわく、最近は年も年なので無理して働かずのんびり日々を過ごしているのだとか。
聞けば、父のほうは現在でも忙しく働いているそうな。
やはり生来の性分なのでしょうね。
私の両親は子供を９人産み育てました。
残念ながら長男は５０歳を過ぎた頃に病で死んでしまいましたが、他の８人の子供たちは今も生存しそれぞれの人生を歩んでいます。
私もその１人であります。

最近は、子供が１人か２人の核家族が多いのですが、私の親が若かりし頃は子供がたくさんいる家庭も多かったようです。
昭和期の戦争時代には、「産めよ、増やせよ、子供は国の宝」なんてなこともいわれたようですから、その当時に生きた人たちはある意味子供をたくさんつくることに価値を見出していたのかもしれませんね。
ただ、私の両親もそうですが、貧しい家庭にあって子供がたくさんいるということは、その貧乏度をますます上げることになります。
んでも、私の両親は真面目にコツコツと一生懸命働き、そして子供たちを育てました。
親の背中を見て育った私は、そんな両親の苦労を間近で感じてきましたので今でも頭が上がりません。

身内の私が言うのもなんなんですが、私の両親はバカがつくぐらい正直な生き方をしてきたのではないかと思います。
子供の頃から、親が大それた悪事を働いた場面を目撃したことがありません。
いつも見ていた光景は、朝早く起きて畑仕事や他の仕事に精を出し、夕暮れになると我が家で子供たちと一緒に夕食の食卓を囲んでの一家団欒でした。
私の家族の歴史の中では古き良き時代だったのかもしれません。

その母が、電話口で私にこう言いました。
「あのなぁ、人間は正直に働くのが一番。決して悪いことに手を染めちゃいかんよ。大儲けなんかしなくたっていいから真面目に働くのだぞ」と。
私が都会暮らしを始めてもう２０年以上。
仕事を転々としながら、「正直者がバカを見る」場面に何度も遭遇し、世の中って不条理な面も多いなぁなどと思いながら今日まで生きてきました。
今じゃ、“正直者を装う”テクニックも、時にはずるく生きる知恵も身につけました。
そんな私ではありますが、本当に正直に生きてきた母の一言がとても重く感じました。
「本来、仕事人が仕事をするということはそういうことなんだろうな」と。
少し感傷的になり過ぎでしょうか。

Comments

1. Posted by はづき   2007年06月06日 22:28

すばらしいお母さまですね（もちろんお父さまも）。
正直に、真面目に・・・暖かい言葉です。
こういうの、都会では軽視されがちですから。

2. Posted by ヨロン／竹内富雄   2007年06月06日 23:30

はづきさん
ありがとうございます。
そうですね、田舎は環境のせいもあるかもしれませんが人の気質も素朴な面がありますね。
きっとＴＶのニュースなどで都会で起きる事件・不祥事を知り、息子へ生き方のアドバイスをしたかったのでしょう。

3. Posted by いく   2007年06月07日 07:25

お母様の言うとおり！まったく正しい〜！

私もいろんな場面に出会い、
あっけにとられながら、またはだまされながらでしたが、
結論として、正直にまっとうに生きるのが一番だし、
曲げなくていいや、と思えるようになりました。

「素朴に」というのはなかなか
難しい状況ではありますが、
目指したいところですね！

4. Posted by りこ姐   2007年06月07日 18:31

お母様のまじめな性分（写真からでも）がわかります！私達の親世代は本当に苦労性ですよね。
会社にいると色々な人と接しますから、競争とか交渉ごととか、どこか泥臭い部分にまみれているのかもしれません。初心に返りたいものですね！

5. Posted by ヨロン／竹内富雄   2007年06月07日 23:18

いくさん
人を騙すよりも騙されるほうがまだましなのかもしれませんね。
自分を曲げないという生き方を貫くのも大変ではありますが、まっとうに生きるには大切なことなのでしょうね。

6. Posted by ヨロン／竹内富雄   2007年06月07日 23:21

りこ姐さん
写真が私の母だってよくわかりましたね。
実はその通りなんです(笑)。
実家で飼っている一頭の牛に餌を与えているところです。
「初心忘るべからず」ってやつですね。