2007年03月30日

生産性、効率を上げる究極の目的は何か

書店に行ってビジネス書コーナーをのぞくと、“生産性”だの“効率”といった言葉をよく目にします。
入社以来、会社で、職場でこの言葉を聞かなかった日はないぐらいです。
あらゆる資料に必ずこの言葉が使われていたといっても過言ではありません。
仕事を効率化し、会社の生産性を上げてライバルとの競争に勝ち、高利益体質の会社にしよう」といったニュアンスのスローガンも掲げられていたような気がします。

その努力の賜物かどうかわかりませんが、職場にはどんどんIT化の波が押し寄せ、単純な業務はコンピュータで処理されるようになり、時代の流れというか会社の方針に基づく業務推進についていけない人たちはどんどん職場を去っていきました。
若い頃は、旧式のものや古い考え方はどんどん捨てるべきだと思っていましたので、この流れを歓迎していました。

しかし、40歳を過ぎた頃から、生産性や効率というもののあり方に疑問を持つようになりました。
例えば、それまで10人で回していた仕事を5人で回すことになったとします。
もちろん、10人で回していた時の仕事の質を落さないことが前提です。
そうすると、おそらく、5人の人はそれまでより多くの仕事を受け持つことになり、仕事量、負担は単純にいえば倍増することでしょう。
その昔、私はそれまで4人で回していた職場に異動となり、その際人員が私を含めて2人になりました。
かといって仕事量が減ったわけではなかったので、私は上司に対し何度もせめて1名増の要望を出し続けました。


実際私と同じような立場を経験したことのある方ならわかると思いますが、“仕事量は変わらず、仕事の質は現状維持またはさらなる向上。それなのに人員は現状より○○%削減”。こういう状況というのは働く側からしたらかなり苦しいし辛いですよね。
会社に不平・不満、愚痴の一つや二つ、いやそれ以上言いたくもなります。
なぜって、仕事量や負担が増えれば、長時間労働を強いられるようになるし、休日は疲れ切っちゃって家族サービスだってろくにできなくなるかもしれません。

そもそも、労働の生産性向上、仕事の効率化の究極の目的って何なのでしょうか。
私はね、「生産性が上がったら、働く人により多くの恩恵があり(例えば、給料のアップ、休日の増加、いろいろな制度の充実、あるいは仕事が効率化したら、仕事が現状より楽になって健康が維持しやすくなったとか、よりミスの少ない仕事ができるようになったとか」そういうものではないかと考えているんです。

ところが、企業の生産性が向上し、IT化の進化などで仕事の効率化が進めば進むほど労働強化が進み、疲労が蓄積され、うつ病にかかる仕事人が増えるなど、この現象は一体何なのでしょうか。
私はこれがまさしく今の現状だと思っているのですが、書店に足を運ぶと相変わらず、“生産性”だの“効率”だのといった言葉が目につきます。
仕事人である以上、常に自分の仕事の生産性を上げ、効率化を図っていかざるをえない宿命なのでしょうか。

yoron at 22:16│Comments(9)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 仕事人の叫び | 仕事人の叫び

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この記事へのコメント

1. Posted by いかざる   2007年03月31日 03:03
3 いかざるをえない宿命です。
2. Posted by Techy   2007年03月31日 13:46
 ヨロンさんも疑問に思うのですね。思い出すのが日経新聞のコラムに以前書かれた高度成長時代を表現した「会社と日本経済と自分の発展が同心円を描いた時代」というキーワードです。こういう時代だったら自分の取り組む効率化が自分の利益として考えやすかったのかもしれませんね。今はタテマエは企業体質の強化や企業生き残りのためと言う事なんですが労働強化的にになる傾向が強いような気がします。
 個々の戦力を高めて以前より質量ともに高い仕事はいいのですが、仕事は複雑化するし属人性が高くなって、逆に人材の可搬性を低めていないかという疑問が出てきました。要は異動なり退職した時の交替の難易度が高くなってきていると思っています。前は人数でカバーしていたのですが、今はそれさえ出来ないという状態かなと思っています。
3. Posted by Techy   2007年03月31日 13:46
すいません二重投稿してしまいました。
4. Posted by ヨロン/竹内富雄   2007年04月01日 08:55
>いかざるさん

やはりそうですか。
5. Posted by ヨロン/竹内富雄   2007年04月01日 09:01
>Techyさん

1つは削除させていただきました。
そうですね、Techyさんが紹介された記事とは少しニュアンスが違うかもしれませんが、以前、高度経済成長時代を駆け抜けた世代の社員に当時と今の違いについて質問したことがありました。
彼いわく、「かつては忙しくても充実感があった。でも、今は心のもやもやばかり増え精神的に疲れることが多い」と。

とはいえ、私たちは現在現役で仕事の現場にいるわけだから、何とか突破口を見出していきたいものですね。
6. Posted by 祝ちゃん   2007年04月02日 00:07
確かに
一人一人に無理がかかり、短期に効果的でも
長期的には
会社の人間を自滅させる位なら
人件費削減、効率性を
今一度、考えたほうが良いですよね
7. Posted by たけし   2007年04月02日 04:49
いわゆるアメリカ型の競争社会に巻き込まれていると言うことになるんでしょうか?「うつ病にかかる仕事人」は犠牲者ですが、その逆に一握りの勝ち残っていく人達によって効率のいい社会が回っていけばいいわけですね。バランスは誰がどのような形でとるのでしょうか?あるいは神の見えざる手が働くのでしょうか?
8. Posted by ヨロン/竹内富雄   2007年04月02日 22:38
祝ちゃん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

わざと多少の無理をさせ、というと表現が悪いので、ちょっとの努力では達成できないような高い目標を設定して挑戦をさせ、それによって人を成長させるということはあります。

しかし、そのサイクルを短期間でどんどん回すと関わっている人は大変のような気がします。
常に「今やっているのは何のため?」という問題意識を持つことが大切なのかもしれません。

9. Posted by ヨロン/竹内富雄   2007年04月02日 22:43
たけしさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

バランスですか、難しいテーマですね。
どちらかにぶれながら、問題が出ればそこから学び、そして改善していく、そういうやり方しかないのかもしれませんね。

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