同情するも、厳しきかな世の中は“精鋭が少数”なのではなく“少数が精鋭”

2005年11月27日

評価する側の論理、評価される側の論理

組織の中で働いていると、『評価』というのが必ずついて回ります。
上司から評価される立場のときもあるでしょうし、逆に部下を評価する立場になるときもあるでしょう。
また、株式公開企業の経営者であれば株主から評価されるということもあります。
あるいは、もっと大きな目で見れば、企業であれば取引先や消費者から評価されるということもあるかもしれません。
ここではあまり大きく広げないで、身近なところで上司と部下の関係における評価について述べてみます。

評価というのは、不思議なもので、自分が逆の立場になるとそれ以前の考え方と違う部分が多々出てきます。
例えば、上司から評価される部下の立場だったとしましょうか。
そうすると、私も常にそうなのですが、「私はこんなに一生懸命やっているのに、なぜ上司はきちんと評価しないのか。足りない点はよく指摘するのに、それに比べると私が頑張った点はあまり見ていないようだ」と思ってしまうのです。
今度は逆に部下を評価する上司の立場だったとしましょうか。
「彼(彼女)には、常日頃期待していること(やってほしいこと)を伝えているのに、まったくできていない。これでは評価を上げるわけにはいかないな」と思ってしまうのです。
もっとも、立場が変われば自ずと考え方も違ってくるのが自然なのかもしれませんけどね。


会社の仕事は、何で評価するかといえばやはり第一は“実績”でしょう。
もちろん、実績はあまりなくても潜在能力を重視する面もあるとは思います。
その場合は、今後の活躍、つまり活躍して成果を上げてくれることに期待するわけです。
若い人の場合は仕事人としての経歴も少ないので、日頃の言動などから可能性に期待する部分が大きいかもしれませんね。

今の会社では、私は部下を持っていません。
30人程度の会社なので、総務人事担当を1人でやっています。
総務・人事関係の部署や担当者を置いている会社は多いと思いますが、ご存知の通り、その職務領域は多岐にわたります。
小さい会社の場合はさらに領域は広く、それこそ何でもやります。
現に私も、大きな会社であれば他部署のスタッフがやるような仕事もこなしております。
オフィス内の整理整頓、事務消耗品の手配、社外文書の作成、契約管理、採用、人事制度の構築、社員の勤怠管理、飛び込み営業への対応、取引先のデータ整備、その他諸々。
それこそいくら時間があっても足りないぐらい細々した仕事が日々発生しては、処理できない仕事を常に抱えている状態にあります。

たくさんの仕事を処理していて、本人として慢性的に時間不足を感じているわけですが、上司から見れば、「君、仕事をたくさん抱えて大変だね。よく頑張っているから評価を上げよう」という論理にはならないのです。
直属の上司や社長からよく指摘されるのは、「何でもかんでも手当たり次第にやるのではなく、付加価値の高い仕事、低い仕事を選り分けてやれ。そして、もっと効率的なやり方を考えて仕事を改善しろ」ということです。
1人で多くの仕事をこなしている=よく頑張っている”という評価にはならないのです。
この論理は実はよく理解できるのですが、実際に日々多くの仕事に追いまくられているとなかなかできないというのが本音ですね。
それじゃ、いつまでたっても現状を変えられないじゃないか」というのはその通りなのですがね。

企業の論理というのは不思議なもので、仮に、それまで10人でやっていた仕事を人員を半分削減して5人体制でやるようにしても、その5人の評価を上げるかといえばそうじゃないんですよね。
5人になっても、逆にそれまで以上の効率性を要求し、それができなかったら評価を上げないということなのです。
当事者の立場からは、10人が5人になって同じだけの仕事量をこなしているのだから、「生産性は2倍になったはずで評価を上げるべきじゃないか」という論理も出せそうですが。
実はかつてこの論理を展開して受け入れられなかった経験があります。
何だかんだいっても、評価は最終的には業績と連動しているものなので、結局のところ、業績次第で評価のあり方も変わってくるのかもしれません。



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1. Mr.ハリソン の 『 上海進出・起業講座 』  [ Mr.ハリソン の 『 上海進出・起業講座 』 ]   2005年11月27日 17:58
突然のTB申し訳ありません。ご迷惑でしたら消去で構いませんので良かったら遊びに来てください ★ブログランキングで、これから頑張っていきたいので宜しくお願いします。はりそん

この記事へのコメント

1. Posted by himawari36   2005年11月27日 16:46
ヨロンさん、こんにちは。
時間内に仕事が終わらず、いつも残ってやっているけど、職場からしたら「要領が悪い」ぐらいにしか見えないんでしょうね。
でも、私も「時間外までやっている」というグチ意識より、どうやったらもっと効率よく動けるのか、考えることも必要かな…と改めて考えさせられました。
自分がもし使う側だとしたら…という考え方は今の自分のダメな状況を変えるヒントにもなって、なんか仕事をする上で少し楽しくなるような気がします。
いつも参考になるお話ありがとうございます♪
2. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年11月27日 20:20
himawariさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

残業していると「頑張っている」と見られる社風の会社と、「能力がないから残っている」と見られる会社の両方があるかと思います。
外資系企業の中には後者のような会社もありますから、そういう会社では自宅に仕事を持ち帰ってやっている社員もいるような気がします。
また、他人から給料をもらって働く場合と、自分が経営者になって従業員に給料を払う場合では自ずと考え方も心構えも違ってくるんでしょうね。

>いつも参考になるお話ありがとうございます♪
そうおっしゃっていただけると書く励みになります。
ありがとうございます。

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