2005【仕事人万歳】忘年会のご案内貧富の差は確実に広がっている

2005年11月19日

オンリーワンのつもりが便利屋になってないか

38bd6d14.jpg他の人にない能力やスキルがあるのに、高く評価されるというよりただたんに便利屋として使われてしまっていることがあります。
あなたの周囲にもそんなかわいそうな(?)人がいませんか?
例えば、そうですね、英語が堪能で英訳・和訳の翻訳スキルがあり、通訳もできる、またITの知識も豊富で社内のIT化推進で大いに貢献している人材なのに、人事評価はなかなか高くならず、いつも上司や同僚たちから困ったときのお助けマンとして使われているとか。
自分自身を基準にして考えてみても、英語が堪能でITスキルがあって仕事もそこそこできるとなれば、そんな人材はなかなかいないよな〜と思うぐらいの人材です。
私だったらかなり高く評価するでしょう。

ところが、不思議なもんで、会社全体の人事評価制度のコンセプトとしては「個性を尊重し、個人の能力やスキルに応じて評価し・・・」などとうたっておきながら、社内のバランスというか横並びを意識した評価でお茶を濁してしまう企業や組織は意外に多いのです。
海外とのやりとりが増えた企業にとって、それが企業の活路につながる事業戦略上の動きであれば、語学力のある人材は絶対必要な人材のはずです。
だからこそ、そういうのを理解している企業は、社内の語学研修に力を入れたり、TOEICのスコアを昇進昇格の条件に採用したりしているのです。
もちろん、語学力やITスキルだけが評価のすべてではありませんが、自社が持っていない特別な能力やスキルを持った人で、その人の社内ニーズが高ければ評価は高くてしかるべきです。


私自身、これまで何度も英語力を高めようと勉強してきた経験があるからこそ実感するのですが、語学力を身につけるというのは本当に大変なことです。
海外で暮らしていた経験があるとか、外国語をよく使ったり耳にしたりするような特別な環境に身を置いていたというようなことでもなければ、独力で語学力を高めていくのは相当の努力や根気が必要になります。
かつては外資系企業で働いていたこともありますが、いまだに英語はまるでダメですね。
だから、英語での読み書きやスピーキング、リスニングが流暢にできる人を尊敬します。

かつて、こんな言葉をよく耳にしました。
突然英語の仕事を引き受けてしまった同僚が、社内の英語力のある同僚にその仕事を丸投げしておきながら、あとでぶつぶつ言うのです。
「まったくよ、英語の仕事なんて余計な仕事だよな。そんなのに関わっている暇はないんだよ」と。
でも、よく考えたら変な話ですよね。
英語の仕事は余計な仕事ではなく、今やビジネスはグローバルの時代だし、その会社が海外ともビジネスを行っているのであれば、むしろ社員一人ひとりが英語は避けて通れないものです。
それまで英語を使う必要のなかった人が突然の出来事に戸惑う心境は理解できないわけではありませんけどね。

ITのスキルも同様です。
コンピュータが苦手な人からみれば、いろんなソフトを手軽に使いこなし、難しいコンピュータ言語を解読していく能力やスキルは驚くべきものです。
ExcelやPowerPointのようなアプリケーションソフトを自由自在に使いこなす人を見て「すげーなー」と思ったことはありませんか?
多くのコンピュータ素人の人たちがそういう特殊能力・スキルを持った人の力を借りて仕事をしているはずなのに、一方でその能力やスキルについては特別高く評価しているわけではないという現実があるような気がします。

オンリーワン”という言葉があります。
ある分野でナンバーワンになるのは難しくても、自分にしかないもので勝負するオンリーワンの生き方ならもっと目指しやすいのではないかというものです。
ただ、ここで気をつけなければならないのは、オンリーワンはあくまでも自分の強みをつくって活路を見出していく生き方であって、評価が低い(評価もされない)ただの便利屋になるということではないと思います。
一見便利屋をやっているように見えて、実は将来に備えた準備をしている、会社の信頼を勝ち取るための動きの一環である、といったような戦略的思考が必要でしょう。
そのためには、常に自分の現在の能力・スキル・経験を冷静に分析し市場価値と比較する習慣を持つことが大切なのではないか、そんなことを思うのです。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by みんなで成功しよう会   2005年11月19日 15:26
こんにちは。
私の以前の上司もそういうことが見えない人でした。上司のそのまた上司のやり方をまねているか、自分の言うこと聞いているか、という人でした。
おっしゃるとおりですよね。企業の規模が大きくなればなるほどそうなっていってしまいます。社長や経営陣が普段からそのような評価する姿勢を公の場で見せていないとならないですね。
2. Posted by sanonosa   2005年11月20日 01:09
はじめまして。sanonosaと申します。

今回のエントリーは自分のことを見透かされているようでどきっとしまし。
私はビジネスレベルの韓国語ができる日本人技術者という珍しいスキルを持っているのですが、最近はそういったスキルを会社から便利に使われていると感じていました。

「常に自分の現在の能力・スキル・経験を冷静に分析し市場価値と比較する習慣を持つことが大切なのではないか」というのはまさにその通りですね。参考にさせていただきたいと思います。
3. Posted by マザー   2005年11月20日 10:24
はじめまして
ナンバーワンとオンリーワン
どちらも実は同じかもしれないと思ったりします
最近「オンリーワンに・・・」という事をよく聞きますが
ナンバーワンになれないからオンリーワンに〜〜と思う人がいるような気がします
今、コンテンツをお金に換える方法をいろいろ試していますが
最後は共感されるオリジナリティーの追求というところにたどりつきました
しかし、これは本当に難しい
ともすれば、自己満足になってします・・・
本当に難しいです
4. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年11月20日 14:50
木下さん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

そうですね、上に立つ者、経営者はしっかりした評価軸を持つ必要があるのかもしれませんね、なかなか難しいことですが。
5. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年11月20日 14:53
sanonosaさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

ほー、韓国語ができるのですか。
今後の日韓関係を考えれば、ますます評価が高くなりそうですね。
自信を持っていいのではないでしょうか。
6. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年11月20日 14:57
マザーさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

鋭いご指摘ですね。
たしかに、ナンバーワンを目指すのは大変だからオンリーワンという言葉でごまかしてしまうという傾向はなきにしもあらずでしょうね。
もちろん、ポジティブな意味もありますが。
ナンバーワンでもオンリーワンでも自分を極めていく姿勢が大切なんだと思います。
7. Posted by himawari36   2005年11月20日 21:37
います、私の職場に。
私より年下で、努力家で、人当たりがよくて
なんでも出来る人
そういう人が「とてもありがたい存在」というより
「便利屋」という存在でぞんざいに扱われていることに本人が気づきだして、転職を考えているようです。
もっともな話だと思いますが、職場はこれで優秀な人材を失うわけです。
なんだろう…いい人がそんな風に扱われるのってやっぱり弱者いじめな気がしますね。
8. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年11月23日 07:56
himawariさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

身近にいらっしゃるんですね、そういう人が。
そうですね、評価のあり方次第で優秀な人材が去っていくのは会社にとっても損失ですよね。

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
2005【仕事人万歳】忘年会のご案内貧富の差は確実に広がっている