上司にどこまで従うべきか信じられる?こんな転職理由

2005年10月15日

丁寧な仕事、雑な仕事

ある時、経営者からちょっとした仕事を頼まれて対応しました。
どんな仕事だったかというと、資料の中の不要な箇所を修正テープで消すという仕事です。
4枚の資料だったので短時間で片付けたのですが、私の作業を机の側に立って見ていた経営者は、「もう少し丁寧に仕事をしてくれよ。君も案外雑な仕事のやり方をするね」と私に注意をしました。
なぜそう言われたかというと、多少言い訳になりますが、お偉いさんに頼まれ気が焦っていた私はちょっと手元が定まらず、その結果修正テープを真っ直ぐ動かせず何度もやり直しをしてしまったのです。
お使いになった方はわかると思いますが、修正テープというのは、狙いを定めて真っ直ぐに動かせばきれいに修正できるものです。

ほんの些細な出来事ではありましたが、実は本心ではちょっとショックだったのです。
なぜなら、私は自分の仕事のやり方については日頃丁寧なほうだと考えていたので、他人から、しかも経営者から「君の仕事のやり方は雑だ」と言われてしまったからです。
誰でもそうだと思いますが、自分の仕事のやり方に対する自分自身の評価と他人の評価がまったく違えばいい気分にはなれませんよね。
もちろん、違う評価というのは、自分ではいいと思っていたやり方が他人からは悪いやり方だと評価された場合ですが。
仕事人は結果がすべて」という考え方もありますので、心情的には辛くても受け入れざるをえない面もありますけどね。


話を戻しますが、同じ仕事をするんでも丁寧に仕上げると人と雑に片付けてしまう人がいますよね。
例えば、上司から「この資料をファイルしといて」と頼まれた時、きっちり資料をそろえパンチ穴をきれいに開けてファイルする人がいる一方で、資料がふぞろいのままパンチ穴も適当な位置で開けてファイルする人もいます。
私の経験上こういうのは、雑用のような仕事の時に顕著に現れます。
きっと、その人のそれまでの仕事のやり方が出ているのではないかと思います。

かつて、私の同僚にそれはそれは丁寧な仕事ぶりの人がいました。
その人に仕事を頼むと毎回きれいに仕上げるのです。
要するに手抜きをしないんですよね。
逆の言い方をすれば、雑な仕事をする人は「こんな仕事なんかどうだっていいや」と手抜きをしてしまっているのかもしれません。
冒頭の修正テープの例でいえば、私もその時その仕事を雑用と受け止めていたのかもしれません。
手抜きをすると、結果的にいいアウトプットは出ないのではないでしょうか。
丁寧な仕事をする人からはいいアウトプットが出て、雑な仕事をする人からは悪いアウトプットしか出てこない、当然の帰結かもしれません。

そう考えると、できる仕事人というのは、雑用のような仕事でも手抜きをしない、常にアウトプットを意識しながら仕事をしているのでしょう。
再び修正テープの例を出せば、私は何も考えずに消すことだけを考えて対応したわけですが、本来であればその資料の価値を考えながらアウトプットをイメージして対応すべきだったかもしれません。
それができていなかったのですから、私の仕事のやり方はまだまだ甘いと言わざるをえないでしょう。
他人から厳しく指摘、叱責されるのは辛いことですが、それを謙虚に受け止めて自分の中で反省に結び付けられれば仕事人としての成長につながっていくのだと思います。

そんなことをつらつらと考えながら、最近の自分の仕事のやり方を振り返っています。
最近は、仕事量が多いのを言い訳にしながら相当手抜きしている部分が多いなと感じています。
やっぱり、丁寧に仕事ができない人は何かしら言い訳をしちゃうもんなんですかね。
「そんなもの(こと)、どうだっていいじゃないですか」なんてね。
他人から依頼された仕事に対して、本当はこんな言葉吐いちゃおかしいはずなのに。
などと思いつつ、気を引き締めて丁寧な仕事をしようと心に誓うのでありました。






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この記事へのコメント

1. Posted by みると   2005年10月16日 09:02
 こんにちは。

 修正テープって、紙の上をなぞるようにして、張っていくものですよね。
 私は、それよりも、マスキングテープというのを使います。セロハンテープみたいな形になっていて、使うのは楽です。そして、何と言っても、後ではがせます。間違えて貼っても、それこそ、修正が効きます。

 さて、この雑な作業は、雑用だけに現れるものではないと感じます。重要な作業においても、雑なものが出ます。これは、意識の違いなのか、技量の違いなのかは判りませんが、もともと、個々の資質に由来するのではないでしょうか。
2. Posted by まさ   2005年10月16日 09:38
 ご無沙汰しております。私の場合、教えることとデータ取りが主な仕事になりますので、よろんさんとは若干感覚が違うと思います。例えば教える場合には「どれだけ学生がわかるのか」「教える事例に対して下準備が出来ているか」「講義中に学生ときちんと向き合っているか」などなどではないかと思っています。またデータ取りの場合にはできるだけ多くのデータを取り、それに対しての比較検討がなされていなくてはなりません。
 しかしながら多くの大学教員は3番目の「学生と向き合っているか」の部分が疑問です。まだ旧態依然とした研究優先、学生次点という教員が多数存在しています。このような教員はどう考えても「仕事が雑」という事になるのではないかと考えております。
 
3. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年10月16日 12:26
みるとさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

ほー、マスキングテープですか。
今度試してみます。
おっしゃるように、雑な仕事は何も雑用だけに現れるものではないでしょうね。
資質といえば、それに尽きちゃうかもしれませんんね。

4. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年10月16日 12:32
まささん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

なるほど、そういった視点での捉え方もあるわけですね。
おそらく、大学の教員で対学生じゃなく研究優先という人は多いのではないでしょうか。
そうなってしまう背景には、研究論文の出来栄えがいい人が出世するとか、論文を書かないと評価されないとか、といったようなしくみそのものの問題もあるのかなと想像します。
5. Posted by うみ   2005年10月18日 01:13
ども。
全てを丁寧にやっていたらいくら時間があっても足りません。
特に中堅以上になると仕事量は増えるばかりですし。
丁寧さを心がけるところと、そうでないところのメリハリが必要と思います。
ところが「丁寧な仕事をする力」がないと、必要なときに丁寧な仕事をすることが出来ないのです。
で、その「丁寧な仕事をする力」は、普段から丁寧な仕事を心がけないと身につかない。
堂々めぐりですね。(^o^)

つまるところ「丁寧に仕事をしつつ、不要なところは意識して手を抜く」という精神が大事で、
これが逆だとうまくいかない・・・みたいです。(^^;;;)
6. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年10月22日 00:22
うみさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

なるほど、名言ですね。
丁寧にやるべきところは丁寧にやり、手抜きしてもよいところでは手抜きをする、手抜きして浮かせた時間はさらに丁寧にやるべき仕事に向けるということなんでしょうね。

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