“報・連・相”って案外難しい“板挟み”って苦痛?

2005年10月02日

「あまり無理するなよ」と言われても

かつて、ある生命保険会社主催の川柳コンクールで入選した秀作にこんなのがありました。
『無理をさせ「無理をするな」と無理をいい』
おそらく、この川柳を読んで大きくうなづいた人は多いのではないでしょうか。
ほんと、勤め人の心境をよくつかんですいますよね。
この作品にかぎらず、この川柳コンクールで選ばれる作品はよくできているものが多いと思います。
これまで勤めた会社の同僚たちと、職場で話題にし合っては自分たちの状況と重ね合わせたりしたものです。
保険会社の保険外交員が職場に川柳コンクールの作品が掲載された小冊子を持ってきてくれたので、かっこうの話題になったわけです。
もちろん、保険外交員の方はこれを商売のツールに活用しているわけですけどね。

最近は、どこの業界でも競争が厳しいので、少ない人員で多くの仕事量をこなさなければならない状況になっているのではないでしょうか。
そうすると、必然的に一人ひとりは悲鳴を上げながらも頑張らなければなりません。
その一方で、仕事のし過ぎはどこかで無理することになりますので、健康面を含め会社全体としてはマイナス面も出てきます。
そういうことは理屈としてはわかるので、無理して頑張っているように見える部下に対しては、上司も部下の管理という役割がある以上「あまり無理するなよ」と言わざるをえないのです。
本心からそう言う上司もいるでしょうし、建前で言う上司もいるかもしれません。
いずれにしろ、あえてその言葉を口にするのが上司のつとめなのでしょう。
あー、私もこの言葉を日常的に使っています。


ただ、残念ながら、実状としては「無理するなよ」と言われても無理せざるをえない仕事が目の前にあるのです。
明日が納期の仕事は、徹夜してでも納期に間に合わせなければなりませんしね。
いくら上司から「明日でいいよ」と言われたって、お客が今日中の完了を要求してきたらそれに応えなければなりません。
ある意味、仕事というのは必ず「無理」を伴うものだと思います。
今の会社の仕事にしたって、たくさんの業務を抱え処理が遅々として進まないので、土日自主的に出社してこなしている状況です。
昨日も今日も出社して仕事をしました。
仕事は結果がすべて”というようなことがよくいわれます。
それならばなおさら、頑張って結果を出すしかないのです。
でないとまったく評価されないということになりますからね。
評価されなければ、給料も賞与も上がらないし、上がらないどころか下げられたり、あるいは降格されたり、しまいには会社にとって不要な人物と判断されリストラされてしまいかねません。
だから、そうならないようにするために皆んな頑張るわけです。

冒頭の川柳で思い出されることがあります。
かつて勤めた会社の話です。
私はその会社で総務部という部署に所属していましたが、なぜか担当取締役に気に入られ、よく直接仕事を頼まれていました。
その取締役がちょくちょく言う言葉がありました。
金曜日の夕方私の席にやってきて仕事を頼むときに言っていた言葉です。
「悪いんだけど、この資料作っといて。急ぎはしないから、月曜日の朝一にチェックできるようにしてくれるかな」
こう言われたときの私の本音はこうです。
「おいおい、月曜日の朝一までということは、この資料は土日に出社して作成しろということだな。鬼ー!」
しかし、そこは宮仕えの身、そんでもって相手は偉い重役さん。
口をついて出た私の言葉はこうです。
「はい、わかりました。朝一でチェックできるように作成いたします」

こういう仕事の依頼のし方というのは、何も社内の仕事にかぎりません。
社外の取引先に仕事を発注するときも似たことをよくやります。
相手が納品まで1週間かかるといっても、何とか3日で仕上げてくれなんてことを言いますよね発注側は。
受ける側は売上がかかっていますから、いくらしんどくても対応せざるをえないのがふつうです。
社員がこの3日間を無理して仕事をしてくれ、その結果お客さんの満足が得られれば次の注文につながるから受けるのです。
こういうのが厳しい競争社会の現実なのでしょう。

ただし、最後に総務人事担当者として一言言わせてもらうなら、
「無理するという経験で仕事人としての力がつくのはたしかです。しかし、無理の積み重ねによって体を壊してしまっては元も子もありません。自分の健康は自分でしか管理できません。健康を害したことに対し、会社は責任をとらないし、最後まで面倒をみるということはありません。ぜひ、精神面・肉体面での健康と仕事のバランスは自分でしっかりとりましょう」
ということですかね。

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この記事へのコメント

1. Posted by うみ   2005年10月03日 21:39
ども。
昔、ある先輩によく「無理はしても、無茶はするな。」と云われました。
無茶にならない程度にご健闘ください。
わたしはしばらく休みが取れそうにありません(^^;;;)

>金曜日の夕方私の席にやってきて仕事を頼むときに言っていた言葉です。
>「悪いんだけど、この資料作っといて。急ぎはしないから、月曜日の朝一にチェックできるようにしてくれるかな」
いくらなんでも、これが何度もあったのなら、怒って良かったのでは?
段取りが悪く、思いやりもない取締役が、社に必要だとは思いにくい。

2. Posted by Hiro   2005年10月03日 23:15
ご無沙汰したます。

新会社でのご検討お祈りいたします。

人間って年を取ると断り方も上手く(図々しく)なっていきます。


「今ここでお話をお請けしても、後でかえって迷惑をかけてしまっても申し訳ないので・・・」が 第一段階で、 さらに進んでいくと、


「一日はどう頑張っても24時間しかありません」と平気で言ってしまいます。

まあ、24時間の内訳は言いませんがね・・・
3. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年10月04日 22:37
あおいうみさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

「無理はしても、無茶はするな。」ですか、いい言葉ですね。
肝に銘じたいと思います。
はは、私は怒れない性格なのです。
4. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年10月04日 22:40
Hiroさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

なるほど、「図々しさ」ですか。
それもある程度は必要かもしれません。
私の場合はこの「図々しさ」が欠けているのかな。
ナンチャッテ。

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