考えてますか?「自分のこれから先」客の立場で「ありがとう」が言えますか?

2005年09月23日

郷に入っては郷に従え

郷に入りては郷に従う
手元にある『故事ことわざ活用辞典』には、その意味についてこう書かれています。
「風俗慣習はその土地によって違うものだから、その土地に住むときは土地の風習に逆らわないで従うのがよいという教え」

この諺を仕事人の世界にあてはめてみると、違う仕事を担当することになったとき、人事異動で他部署へ移ったとき、転職で他の会社・職業に就いたときなどがあると思います。
特に人事異動や転職のときは、いろんな点でそれまでとはガラッと環境が変わります。
その度に、多くの人は慣れるまでの間はとまどうことが多いのではないでしょうか。
私自身これまで何度か人事異動で他部署へ移った経験がありますし、また3度の転職を経験しましたが、新しい環境に溶け込むには時間がかかりました。
今の会社には入社してやっと1ヶ月が経ちましたが、まだまだ慣れない点が多々あります。

新しい環境になったときに、どういう点にとまどうかというと、
1.職場の人間関係
2.仕事のやり方(その職場のルール含む)
3.上司の考え方、職場に根づいた価値観

といったところでしょうか。
もちろん、自分を殺してまで完全に同化する必要はないと思いますが、ある程度は同化しないとやりづらいのはたしかです。
長い間勤めた会社を辞めて初めて他の会社に転職したときは、相当違和感を感じるかもしれませんね。
特に、それまでの価値観、やり方とはまったく違う面があると相当面食らうのではないでしょうか。


会社の場合は、外から人材を獲るというのは、自社にないものを持ち込んでほしいとの狙いもあるので、外から来た人材がその会社の風土に完全に慣れてしまうのは逆効果になりかねませんが、それでもまったく異質のままだと何も力を発揮できず成果も上げられないという厳しい現実もあります。
以前ある人材コンサルタントの講演会で聞いた話ですが、前職で高い評価を得て活躍した人が転職先でまったく力を発揮できないまま低い評価になってしまったという例はたくさんあるそうです。

人事異動や転職を何度か経験し、環境や周囲にそこそこ合わせつつ自分なりの仕事ができてきた人なら、仕事人にとっての“郷に入っては郷に従う”ということがどういうことなのかよくわかると思います。
本音では“それは違う”とは思っていても、そこはぐっと堪えて仕事をするというのが新人の鉄則のような気がします。
人間関係では、案外“第一印象”というものが大事です。
第一印象が悪いと、あとからそれを挽回するのは大変なのです。
いくら自分の考え方、やり方が正しいと思っていても、すべてに「ノー」と言ったら、周囲から反発されそれ以後協力や支援が得にくくなるのは必死です。

もっとも、自分の考え方ややり方に自信を持っている人ほど、自分のそれとは違うものに無理に合わせるのは辛いでしょうけどね。
無理に合わせるのが大人の流儀とまではいわないけれど、新人の立場、よそ者であれば、まずは自分のほうから一歩でも二歩でも相手に近づく努力が大切なんだと思います。
郷に入ったらからといってすべてに従う必要はないでしょうが、大人の知恵としては「そこそこ従ったほうが物事がうまくいく」ということを知っておいたほうがいいでしょう。


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