“あるべき論”など通用しない中小企業「役職」で呼ぶのは面倒くさー

2005年08月28日

40代以上の転職、もう一つの壁

40代以上の転職というのは、一般的にいってかなり厳しいのが現実です。
この年代の転職を難しくしているのは、次のようなことが考えられます。
・それまでの仕事経験で身につけた仕事のやり方をなかなか変えられない。
・若者に比べフットワークが悪い。
・企業側からすると若者の採用よりコストがかかる。
・新しい技術の習得が難しい。
・一言多い。
などなど。
もちろん、人によっては40代以上であっても、その人の持つ能力、スキルゆえキャリアアップの転職が実現できている人もいるでしょう。
ただ、一般的にいえば、そういう人は少ないのが現実ではないでしょうか。

それから、うまく転職できたにしても、中高年者にはもう一つの壁があります。
それは、新しい職場に溶け込めるどうかという壁です。
中高年者の転職者に対しては、周囲はかなり厳しい目を向けます。
へたに高いポジションで採用されようもんなら、周囲の見る目はさらに厳しくなります。
平社員で入社する若い人なら、頭でも掻きながら「すみませーん、何も知らないもんで教えてくださーい」などと愛想笑いを浮かべつついろいろ聞けたりするんでしょうが、中高年者になるとプライドもあってかそこまでへりくだることもなかなか難しいでしょう。
そうなると、実情は新入社員のように何もわからないのに、周囲からは「何をやってくれるんだろう」、「何ができるんだろう」と見られてしまい、本人もプレッシャーを感じながら苦しい状況に立たされます。


私は、この年齢(41歳)になってもわりとへりくだって周囲に教えを乞うほうなのですが、やはり、20代、30代のときとは違うものを感じています。
入社した直後ぐらいは、周囲もそれなりに大目に見てくれますが、1ヶ月、数ヶ月経った頃からだんだん面倒を見てくれなくなります。
逆にいうと、40代以上の仕事人なら自ら積極的に周囲に働きかけ、むしろ周囲を動かしていくぐらいのことが期待されているのでしょう。
入社して数ヶ月も経ったのにろくに仕事ができなかったら、周囲から、会社から評価されなくなってしまいます。

40代以上の転職にあたってのもう一つの壁は、別の言い方をすれば“本人と周囲の意識の壁”といえるかもしれません。
へんなプライドは捨てろと言われたって、自分がそれまでやってきた仕事に自信があればあるほどそれは簡単なことではないでしょう。
自分がもっともいい(効率的、能率的、効果的)と信じてやってきた仕事のやり方に対し、目の前で悪い(非効率的、非能率的、非効果的)仕事のやり方がされていたら、その会社の社風、それまでの経緯は無視してついつい口を挟んでしまうかもしれません。
それがプラスに働けば会社にとってもプラスになりますが、マイナスに働いた場合は、会社にとっても本人にとってもいい結果にはなりません。

私もクセのある人間ですが、逆の立場で40代以上の転職者たちと付き合ってきた経験からも、この年代の人たちはそれまでの仕事のやり方、またそのやり方を身につけた過程で持った考え方をひきずっていると感じています。
いや、ひきずるのは当然なのかもしれません。
ある意味、この年代の人を採用しようとする企業側にすれば、そういったそれまでの経験で培ったものを自社に活かしてほしいという期待を持っているということなのでしょう。
大切なことは、「前の会社に比べこの会社はレベルが低い」だの「この会社(転職先)には人材がいない」というように悪い意識を持ち続けないことだと思います。
転職者の中にはこういう意識をひきずっている人がけっこう多いんですよね。
そんなに前の会社のほうがいいなら何で辞めたの?ってことになりかねません。

私は40代にして既に2社経験しています。
40歳のときに3社目に転職し、41歳(現在)のときに4社目に転職しました。
今後どうなるかわかりませんが、意識のうえではなるべく悪い意識をひきずらないよう心掛けたいと思っています。
今の会社に入社するにあたって、経営者から「あなたは、過去はどうあれ、我が社では新人なのでそのつもりで仕事をしてください。また、そういう意識を持って周囲に接してください」と言われました。
この言葉をもっともなことだと受け止めたので、仕事を覚え自分で回せるようになるまで新入社員の姿勢、気持ちで頑張ろうと思います。




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