明日、4社目に初出社“あるべき論”など通用しない中小企業

2005年08月20日

その勉強、役立ってる?

ce933976.jpg社会人の勉強ブームというのは昔からあります。
常に学習意欲が高く自主的に勉強し続けている人もいるでしょうし、不景気になって将来に不安を感じ資格取得のために俄か勉強を始めた人もいるでしょう。
私はどちらかといえば昔から勉強することが好きです。
勉強というと何となく堅苦しい感じがするのですが、好奇心から“知らないことを知りたい”ために勉強するという姿勢であれば誰でもできそうな感じがします。
いや、本当は勉強というのはかしこまってやるものではないのかもしれません。
仕事人なら誰でも、日々仕事の現場で知らないことに直面していると思います。
そのとき、そのことを知るべく調べたりすることはまさに勉強そのものです。
ある意味、社会に出てからは誰もが勉強の連続だといえるのかもしれません。

書店に行くと、資格関係、その他勉強関連の書籍がたくさん並んでいます。
たぶん、多くの人がそういった書籍を一度や二度ならず手にとってみたことがあるでしょう。
あるいは、実際に書籍を買ってきて勉強に取り組んだ経験のある人もいるのではないでしょうか。
私自身、過去を振り返ってみると、英語関係、パソコン関係、その他担当職務に関する書籍を買っています。
私の勉強法は、“読書”が一番多いですね。
資格取得に向けてコツコツ勉強を続けるようなやり方は苦手のようです。


ところで、仕事人が仕事に役立たせるためにやる勉強は、“実際に仕事の現場で役立つ”ことが重要です。
いくら英会話スクールに通って英会話をマスターしても、実践で使えなければそれは趣味にしかすぎません。
アメリカの有名大学でMBAをもらっても、目の前の問題を解決できなければ絵に描いた餅にしかすぎないでしょう。
若いときに何かに関心を持って勉強することは大いにけっこうだと思うのですが、メディア情報や世間の風潮に流されて流行を追うような勉強のし方には疑問を感じざるをえません。

私は、これまでの自分自身の経験から、一番の勉強ネタは“現場”にあると感じています。
つまり、コミュニケーション論という難しいものを体系的に学ばなくても、自分が仕事で関係を持っている人たちと日常的にやりとりをすることでコミュニケーションのスキルは体得できます。
逆にいうと、学校で高尚なコミュニケーション論なるものを勉強しても、周囲とうまくやっていけなければ勉強自体が無駄だったということになります。
私の現在の担当職務は人事総務ですが、社員からいろんな相談を持ちかけられたり、問題解決を依頼されたときに、それら一つひとつにきちんと対応することができなければ、私はこの職務に向いていないということになります。

実をいうと、私は行動力のない頭でっかちタイプの人間なんです。
それは自分でも自覚しており、仕事人としてはその点が弱点だと思っています。
私の自宅には大きな書棚があって難しそうな書名の本がたくさん並んでいます。
それらの本は、私がこれまで読んできたものです。
マネジメント革命だの人事戦略だのクリティカル・シンキングだの。
で、そういった本を読んでは「うーむ、なるほどそういうことか」などと一人で勝手に納得しておりました。
しかし、残念ながら、本を読んで得た知識を自分の仕事で役立てたことはあまりないように思います。
いつも知識のままで終わってしまっているんですね。

あるベンチャー企業の社長が会社のホームページでこんなことを書いていました。
その社長は以前有名なコンサルティングファームに勤め活躍していたようなのですが、いざ自分が会社をゼロから立ち上げてみると、それまで考えてもみなかった難問、煩わしいことの数々に直面したそうです。
事務用品一つ買うことに始まって、たくさんの役所関係の手続きもこなさなければならず、自分が当初思い描いていたような事業構想の実現には時間がかかることを思い知ったのだとか。
おそらく、事業をゼロからスタートさせたような人たちは似たような経験をしているでしょう。
そこでは、本に書かれているような美しい事業展開は行われません。
地べたを這いずり回る気合、根性、そしてそれを持続させる体力こそが必要です。
まさに“きれいごとは通用しない世界”ですね。

勉強ブームがメディアで取り上げられたり、世間の風潮になると、自分が取り残されているような気がして「私も何かやらなくっちゃ!」などと意気込みがちですが、大切なことは、仕事人なら自分の担当職務をきっちりこなし、その分野ではプロなんだと自己認識できるぐらいのレベルになることです。
外国の会社と取り引きが増えた、あるいは外資が入ってきたから英語の必要性を感じて英語の勉強を始めるということもあるでしょうが、その前に意識すべきは、目の前の仕事を完全に理解し誰にでもその内容を説明できるかということです。
それができているなら、英語力をつけることで鬼に金棒でしょう。
何かを勉強するなら、「何のために」、「勉強したことをどう活かしていくか」といったことをしっかり考えなくっちゃね。





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この記事へのコメント

1. Posted by pukuyou   2005年09月13日 09:37
ヨロンさん こんにちは。

フレンドパークへのお誘いありがとうございます。
ご活躍のようですね。
今就職活動をしていますが、人材登録会社の担当者にいわれたのが
まったく、ヨロンさんと同じこと、つまり現場での経験がない資格、勉強は重視されない。ということでした。
その通りですよね。
ただ、毎日の生活で、「これって何?もっと知りたい」と思ったら
すぐに飛びこんでしまうので、気がついたら資格マニアみたいになってしまいます(笑)でも、意外なことが仕事や私生活で役立ったりするんですよ。。。
2. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年09月13日 22:50
pukuyouさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

フレンドパークにもご参加いただきありがとうございます。
実は、私は資格をほとんど持っていないんです。
あっ、運転免許はあります、たんなるペーパーですが(笑)。
役立つんなら、とった意味がありますよね。

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