給料をとるか、仕事をとるか自ら手を上げてる?

2005年02月13日

仕事人の二極化傾向

エコノミストの森永卓郎さんは、彼の著書の中で、これからの日本社会は、富裕層と貧困層の二極化が進む社会になると書いています。
森永さんはTV番組にもコメンテーターとしてよく登場しますが、TVでもそういうことを主張していますね。
彼の主張を聞きながらふと思ったのですが、富・財産という切り口ではありませんが、最近“仕事人の二極化”現象が進んでいるのではないかと感じています。

仕事人の二極化って何?ってことですが、
・将来を見つめ、仕事を通して社会づくりに貢献したいと考えている層
・関心のあるのは今、自分のことだけで、社会づくりは自分の役目じゃないと考えている層

もっと簡単な表現で分けてみると、「ヤル気のある層」と「ヤル気のない層」という感じにでもなるんでしょうか。
仕事の現場で両者の違いをみると、前者は仕事に精を出して業績向上に貢献しようとするし、後者は適当に手抜きして楽をすることばかり考えているということになるかもしれません。


上から言われたことしかやらない人のことを「指示待ち族」なんてな言い方をしますが、こういう人たちは、言われたこと以外は自分の仕事ではないと考えるわけです。
これに対し、指示がなくても「今自分は何をすべきか」を日頃から考え続けている人は、指示されたこと以外にプラスαを出すような仕事をします。
昔と違って若者たちの価値観が変わってきたといわれていますが、その価値観の変化を仕事の現場でみてみると、旧来の会社・ビジネスのあり方を変えようと前向きに頑張る人と、「どうせ頑張ったってダメさ」と諦め気分で仕事をしている人がいることがわかります。
若い人の多くがヤル気があって、挑戦心を持っていて、起業して、なんていうのは幻想にすぎません。
もちろん、そういう傾向が出てくるのは大いに歓迎するわけですけど、一方で、夢も持たず、ただ今を何となく生きているような若者も増えている現状もあり、そういう人たちがもう片方の層として存在するのです。
フリーターやニートの増加という社会現象は、今後日本社会にどういう影響をもたらしていくのでしょうか。
私には、こういう層の増加が社会の活力を生むとはどうしても思えないのです。

私は、大学生の頃、国際関係に興味があって、国際政治のゼミに所属し、ゼミの指導教授や仲間たちと大いに国際問題について議論を交わしました。
机上の空論的な部分もありましたが、少なくとも、その頃は皆んで「世界をよくしたい」、「日本の国際貢献はこうあるべきだ」と真剣に考えたことはたしかです。
当時の熱意を社会人になって今日まで持ち続けていることができれば、想像ですが、仕事の現場でヤル気を持って業績向上のために頑張っていると思います。
しかし、残念ながら、現実は、学校を卒業しどういう進路を選択したかで人々の考え方が変化していっているのです。
昔はあんなに闘争的だったのに役所に就職して保守的な人物になったとか、ベンチャー企業向きだったのに大企業に就職して行動力のない人物になったとか、そんな例は身近にたくさんあるのではないでしょうか。
学生時代の私は“長いものにはまかれる”組織依存タイプの人間だったのですが、これまでの経験のせいでいつしか組織にあまり依存しない人間になってしまいました。

もし、あなたと話しをした人から、「あなたと話しをすると元気になるよ」と言われたら、それはあなた自身がヤル気に満ちており、そのエネルギーを他人にも与えることができる人物だということです。
飲み会などのイベントで他人から誘われる人は、「この人と一緒にいると楽しい、元気になれる」という雰囲気を日頃から醸し出しているんだと思います。
逆にあまり声のかからない人は、どんなにいい面が内在していても、その人の魅力が周囲に伝わっていないのでしょう。
類は友を呼ぶ”ということわざがありますが、自分がどういう集団に加わっているかは、その集団の中心人物がどういうタイプなのかをみてみればわかります。
すなわち、前向きになりたいと思って参加した集団であれば、中心人物やそこに集まっている人たちは前向き思考を持っているでしょうし、愚痴や不満を言い合い傷をなめ合いたくて参加した集団であれば、中心人物やそこに集まっている人たちは後向き思考の会話が多いのではないでしょうか。

私自身は、時々後向きになるときもありますが、基本的には前向きな人間でありたいと考えています。
そのために心掛けていることは、同じ思考を持つ人との交わりを多く持つことです。
仕事の現場でも私生活でも、前向きな考え方をしている人を見つけ、そういう人たちとの交流を増やしたいと思っています。
私のブログでは、顔写真、氏素性、職務経歴を含め「自分の正体」を明らかにしています。
これは、私自身がそういう人を見ると信頼感を持つので、このスタイルに共鳴できる人と交流したいからです。
個人情報の公開はリスクもありますが、私は「リスクをとれる人のほうが周囲の信頼を勝ち取れる」と思っています。
本気で自分の主義主張を通そうとすれば、公の場で堂々としている必要がありますしね。

私はこれまでの仕事経験で、経営企画や秘書の仕事をしたこともあって、経営トップの側でトップの仕事ぶりを見る機会がありました。
その経験から感じるのは、経営トップが社員に伝えたかったことややってほしいことと現場の人の受け止め方には相当乖離があるということでしょうか。
想像ですが、これは(企業規模に関わらず)どの会社でも同じではないでしょうか。
それがまた最大の課題なのかもしれません。
トップが自分の思いや方針をどうやったら末端までうまく伝えられるか日々苦悩しているのに、またそういう努力もしているのに、現場では、「うちの社長は方向性を示してくれない」、「決断力がない」などと不満を言っていたりします。
たぶん、そういう不満を言っている人が直接社長に聞けば、社長は一つひとつに対してきちんと答えられるはずです。
ただ、人数が多くなると1人ひとりとの問答が難しくなるので、社内コミュニケーションのあり方が問題になってくるわけです。
話しがあちこち飛んでしまいましたが、私は、自分自身をヤル気のある人間にしておきたいので、常に一段高い位置から物事を考える習慣を身につけたいと思っています。







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この記事へのコメント

1. Posted by 大澤遼   2005年02月14日 12:50
ヨロンさん、こんにちは。

今回はちょっと長文で失礼します。

「ヤル気のある層」と「ヤル気のない層」に別れているのはたしかに事実でしょうね。ただ、これがあながち本人たちだけの責任だと言い切れないところが、IT化されグローバル化された(つまり、アメリカナイズされた)今の世の中の現実なのでしょう。その厳しい社会のなかでは、少数の頭脳として認められればいいのでしょうが、その他大勢の手足としか認知されなければ一生貧乏のままです。その辺のことは、山田昌弘さんが書かれた「希望格差社会」に詳しく書かれていますが、私としてはあまり信じたくはなかった。ただ、アメリカ社会の現実をみればある程度事実として認めざるを得ません。

多くの「ヤル気のない層」を生み出しているのは、激しすぎる社会のせいでもあるのです。ですから、弱肉強食社会であるアメリカという国に、私はいい印象をもっていません。その意味でヨーロッパ型の社会民主主義を支持しています。
#成功した人とそうでない人に収入の格差があるのは当然ですが、アメリカでは、あまりに差がつきすぎていますね。(日本も小泉さんが首相になってから急速にそういう社会になろうとしています)

とは言っても、われわれはサバイブしなければいけません。でも、老後を考えると年金はもう信じられないし・・・。

「ヤル気のある層」にならなければ生き残ってゆけないのは分かっていても、勤務先が赤字つづきで他部署ではすでに部門の売却やリストラがあり状況が激しくなってきたので、おもいきって転職活動を始めたが、給与は多少減っても経営が安定していてこれはやりがいがありそうだとおもった会社の書類選考にもとおらない現実に直面し・・・、というのはない話しではありません。事実、私のE-MAILフレンドで、ある会社の10年前のトップセールスマン(40代前半)がそんな現実に直面し現在落ち込んでいます。「CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)のCの字も知らないのですか」とか「体育会系のセールスマンの時代ではないですよ」とようやっと面接までたどりついた会社に言われたそうです。ま、「過去の成功体験にしがみつき変われなかった自分が悪い」と愚痴ってはいるものの・・・、「勤務先をクビになったわけじゃなし、まだまだ時間はある」と返事を送っても、なかなか元気を取り戻しません。

だから、希望を失うひとがでてきても、驚きません。(私自身は楽天的なので、希望を失うことはないですが・・・)
2. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年02月14日 23:42
大澤さん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

おっしゃっていることはよくわかります。
共感できる部分もあります。
ただ、私が強く思うのは、世の中の動きや流れのような自分がどうにもできないようなものに責任を問うても、結局どうにもならないのではないでしょうか。
このブログの記事でも書きましたが、私は今の会社に就職するに際し、11ヶ月の失業期間を経験し、就職活動自体は89社受けて88社に落ちました。

でも、諦めたり、責任を他人に転嫁しては負けだと思い辛抱強く頑張りました。
将来、日本がアメリカ型になろうがヨーロッパ型になろうが、それは日本人自身の選択なのだからしかたがないと思います。
だから、大事なことは、自分が時代をどう読み、その中でどういう価値観を持って生きていくのか、ただそれに尽きるのではないか、そんふうに思っているのです。

3. Posted by 大澤遼   2005年02月15日 12:51
ヨロンさん、お返事ありがとうございます。

|89社受けて88社に落ちました。

知りませんでした。先日の私のコメントで、「日本人的ですね」と言ったことを撤回させていただきます。失礼いたしました。m(_ _)m

|私が強く思うのは、世の中の動きや流れのような自分がどうにもできないよ
|うなものに責任を問うても、結局どうにもならないのではないでしょうか。

これはヨロンさんの言葉ともおもえません。

もちろん、どうにもならない可能性はあり、それはそれはとして今眼前にある現実の問題にアタックすることは重要です。また、決してあきらめてはいけません。

しかし、世の中が悪い方向に動いているとき、それをはばむ努力は、たとえ微力であっても、(いくら私たちに子孫がいないといっても)次世代のためにつねにつづけるべきだとおもいます。そのためにインターネットがあるといっても過言ではありません。

|大事なことは、自分が時代をどう読み、その中でどういう価値観を持って生
|きていくのか、ただそれに尽きるのではないか、そんふうに思っているのです。

時代を読むのは大事ですが、自分たちの価値観の維持まで危うくなっているのですから、(時代をたくみに読みながら)流されて生きる、ということだけはしてはいけないとおもいます。(戦前の父親たちの時代の二の舞だけはさけねばなりません。戦前と違いあらがえないわけではないのですから)

さて、12月から就職活動をはじめてこれはとおもう25社に書類をおくり、うち6社から書類選考通過の連絡があり(つまり、19社は書類選考の段階で落ちたということです)、面接が終了した4社はすでに落選の連絡をうけています。(うち1社は12月下旬に一次面接をうけたにもかかわらずそれから何も言ってこないので、落選だろうと想像していますが・・・) 私が現在最優先している会社は、先日深夜にNY本社のCEOの電話最終面接をうけ結果待ちです。また、今週もう1社最終面接の予定がはいっている状況です。
4. Posted by ヨロン/竹内富雄   2005年02月15日 23:56
大澤さん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

いつも真摯なコメントをいただきありがとうございます。
就職活動のほう、何とか希望のところへ決まるといいですね。

私の言葉足らずでしたね、失礼いたしました。
私は、決して時代に流されるのをよしとしているのではなく、自分が影響を強く及ぼせるところから力を入れていったほうがより効果的ではないかという考え方を持っています。
例えば、日本の政治を変えるために、私の場合は、一票を投じる行動ぐらいしかできないので(さらなる政治活動をするほど行動力・余裕がない)、それはそれとして、実際に大きく関わっている仕事の面から変化を起こしていくやり方を選択しました。

あと、個人的なことで恐縮ですが、(ホームページでも紹介しておりますが)インターネットとリアルな世界を結ぶ付けてみたいと思い、ネットを使って異業種交流会を主宰し、北海道から九州まで全国各地を飛び回って全国の仕事人を結んでみようという活動をしたこともありました。
インターネットをどうやって実社会、生活に役立てられるか、ただ今研究中というところです。


5. Posted by りか   2006年12月16日 23:11
はじめまして

忘年会シーズンなのに「誘われない」ことに焦りを感じ、グーグルを引っ掻き回していたら、たどり着きました。

わたしは、学歴と冗談が通じない(堅苦しいらしく、同期の男からは敬遠されちゃうんです。がんばっても)性格から、お高くとまっているらしく見えるようなのです。

それもあって、自分のことをクローズしがちだったのはちょっともったいないかもしれません。もう少し、自分を上手に出せるように、なんとかしたいです。魅力があるはずなんで、ひとつくらいは。

仕事をやる上では、結構うまくできるのですが、人間関係でもよい関係を持つことが出来るように、ヤル気を表現していけるよう、がんばります。またきます。
6. Posted by ヨロン/竹内富雄   2006年12月17日 12:31
りかさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

自分を変えるためには、待っているのではなく、自分から機会を見つけて、あるいは創ってくことが大事だと思います。
私の場合は、最近はmixiのいろんなコミュニティのオフ会にガンガン参加していろんな人たちとの交流を広げています。

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