仕事を抱え込む人、さばく人ぶち切れるのは損か得か

2004年12月25日

まずは上司の性格、癖を知ることから

仕事をスムーズに行うコツは何だと思いますか?
あるいは、自分のアイデアや思ったことを実現するためのポイントは何だと思いますか?
いろいろあるとは思いますが、私は、まず“自分の上司の性格と癖を知る”ことが大事であることを強調します。
つまり、上司の性格や癖を知ったうえでうまく連携プレーができれば、だいたいの仕事はうまくいくということです。

私は現在3社目の会社で働いていますが、仕える上司ごとに性格や癖の違いを感じます。
論理性を重視する上司、大雑把な上司、細かい上司、豪放磊落な性格の上司、ユーモアのセンスあふれる上司、ほんといろんな上司がいるもんです。
私の部下から私はどういう人物像になっているのか、気になるところです。
いずれにしろ、勤め人であるかぎり、上司の影響が圧倒的に大きいので上司を知ることが仕事をするうえでポイントになります。


例えば、仕の現場ではこんなことが頻繁にあるのではないでしょうか。
資料一つ作成するのに、上司が一字一句注文付けたり訂正したり、かと思いきや、部下に完全に任せてしまう上司がいたり。
昨日の打合せでも、関係者が集まって、上司が指摘した事項や言った言葉を逐一お互いに確認し合い、それを資料作成に反映させる場面がありました。
「たしか、○○さんは、この部分はこう訂正するように言ったよね?」とか、「ここんところは、どういう表現に改めるように言ったんだっけ?」みたいな感じで。

私自身、これまでこういう経験は何度もしてきました。
上司は、さらにその上の上司から指摘を受けるので、その上司自身も同じことをやっているわけです。
組織というのは、こういう作業というかやりとりが何度も繰り返されるところです。
そういう点で、上司からの指示で資料一つ作成するにおいても、上司の性格や癖を知っておくと仕事がはかどりやすいのです。
逆に言えば、上司の性格や癖を知ろうとしない人は、何度も同じ失敗をするでしょうし、自分のアイデアや思いを組織の中で実現することは難しいかもしれません。

上司のご機嫌伺いをする同僚の姿を傍目で見てバカにする人がいます。
上司にとりいろうとする同僚を見て軽蔑する人がいます。
そういう人に対し、私はあえて言います。
「そういうあなたは、仕事でどれだけの実績を上げたんですか?」、「あなたのアイデアや思ったこと、あなたの意見はこれまで反映されたことはあるんですか?」と。
組織における指示命令が上意下達でなされる以上、上司とうまくやれなければ、自分の仕事がうまくいくはずがありません。

ビジネス書を読んで勉強する人は多いと思います。
私もたくさん読みます。
ただ、読みながらいつも感じるのは、ビジネス書で書かれていることには、仕事の現場の生々しさがないのです。
つまり、あまりにもきれいにまとめられすぎているのです。
ビジネス書から学んだことは、自分なりに咀嚼し、そして仕事の現場で応用しながら経験を通して確認していくことが大事なのです。

世の中には、上司と部下の人間関係をテーマにした本があふれています。
それだけ関心を持つ人が多いということなのかもしれません。
しかし、人間関係というのは、個々人によって違うものだし、他人の経験がそのまま活かせるほど簡単なものではありません。
上司が大酒飲みだったら、一緒に酒を飲むという行為で上司の性格や癖をつかむのがいい方法かもしれないし、何かの趣味を持っていたら自分もそれをやってみることからアプローチしていくという方法もあります。
仕事は仕事、私生活は私生活ときれいに区別できるほど人間関係は単純ではないのです。

人間には、感情があります。
上司も人間なんだから、当然「好き・嫌い」のような感情があります。
自分の意思を汲んでくれる部下はかわいいし、自分と相性のいい部下は大事にしたいと考えます。
そういう部下に対しては、自分の持っているノウハウやスキルをあれこれ伝えようとするでしょうし、指導・教育にも一層力が入ります。
また、その組織の中で出世するための組織の渡り方みたいな秘伝を伝授するかもしれません。
もちろん、上司は目をかけた部下を引き上げようとするでしょう。

時々、自分が現在身を置いている組織から一歩離れて我が道を行き、「私は、こういう分野の仕事のプロになるんだ」みたいなことを言う人がいます。
仕事とはまったく関係ない資格の勉強に励み、将来その分野での独立を考えている人などがそうです。
人生の選択はその人自身の問題なので他人がとやかく言う筋合いのものではないと思いつつも、そんな中途半端な考え方ではうまくいくはずがないと余計な心配をしたりします。
仕事の現場で担当者となって実際に仕事をすると、いろんなことが身を持って学べます。
何も机上で経理の勉強をしなくたって、生きた金の流れを理解することもできます。
経営戦略の講義を受けなくたって、八百屋のオヤジさんは日々経営戦略を立て実行しています。

話が横道へそれてしまいましたが、勤め人として仕事をしているのであれば、まずは身近なところから、自分で実感できることから仕事術をマスターしていくのがベストだということです。
そして、その仕事術をマスターするために重要なことの一つとして、“自分の上司の性格と癖を知る”ことをあげたわけです。
やっぱり、人は自分の期待に応えてくれる人を大事にし、またそういう人であればいい人間関係もできるのです。
それは、いい仕事→自分の実績→高い評価とつながっていき、結果的に、自分のアイデアや思ったことの実現につながっていくのではないでしょうか。








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1. 大きな流れと日々の問題(1)  [ ひろのきまぐれ日記 ]   2004年12月27日 21:39
 こんばんわ、ひろです。  最近読んだエントリや仕事の様子を見ながら思ったことを  書いてみようと思います。  それは”大きな流れ”と”日々直面する問題”をいかに上手くすり合わせて、  一致させて、物事を進めていくかということです。  わかりやすい

この記事へのコメント

1. Posted by Deeploveyou   2004年12月25日 21:17
ヨロンさん、こんばんは。
確かに、上司の性格と癖を知ることは、大事ですよね。
上司も自分も、人間なんです。仕事に関する考え方も違えば、評価もしてもらえないし。誰が自分を評価するって、「上司」なんですよね。
その上司の性格、癖、考え方を知ることによって、自分も評価してもらいやすくするために、仕事をすることは、大事だと思います。
私も、何人もの上司のもとで、働いてきました。
相性が合う人もいれば、そうでない人もいました。でも、「上司と相性があわないから」という言い訳はしたくないので、あわない上司の言うことこそ、「絶対やってやる」と思って、やったのでした。
上司は、リストラ時代に、私が苦手なことをやったらどうだ、とか、
セクハラまがいなことをいっていました。また、朝礼で、「上司にはゴマをすれ」と堂々と言っていたのでした。でも、それができなければ、生き残れない。リストラされるわけにはいかないので、嫌なことでも、やりました。
でも、今になって、その上司には、感謝しています。その場面に遭遇しなければ、私はどうなっていたことやら。
裏でなく、堂々と、ゴマをすっていきますよ。これからも。





2. Posted by ひろ   2004年12月26日 01:32
こんばんわ、ひろです。

う〜む。正解かどうかわかりませんが、僕はわが道を行くほうです。
”上司”にあたる人は何人かいますが、うまく行ってる人もいれば、
そうでない人もいます。

僕は若いせいか、”組織の中だけで評価される仕事”を目標にはしたく
ないなと思います。もっと大きな流れの中で意味があって、組織にも
意味がある仕事、そんなことをしたいと思っています。

そういう見方で仕事をして、評価してくれる上司もいれば、
イマイチだとする上司もいます。

組織人には、向いていないかもしれませんけど、見ている誰かは
評価してくれると信じてやってます。

ほんとはもう少し我慢強く別のルートをたどるべきかなぁ。。
3. Posted by ヨロン/竹内富雄   2004年12月26日 14:45
Deeploveyouさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

仕事人は、仕事の現場でいろんなこと経験しながら、いろんなことを学んで成長していくもんなんでしょうね。
私は最初に入社した会社で、職場の派閥争いみたいなものに巻き込まれたことがありますが、そういう経験をしたおかげで、組織内の力学みたいなものが理解できるようになりました。
2社目の会社では、夜の酒場でのやりとりが昼間の仕事場でも役立つことを学びました。
やっぱり、どんなことでも経験って大事ですね。
4. Posted by ヨロン/竹内富雄   2004年12月26日 14:53
ひろさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

おそらく、これが正解!みたいなもんってないんじゃないでしょうかね。
“組織の中だけで評価される仕事”はしたくないということですが、仕事というのは常に目的があるものだし、その目的を達成するために組織というのはあるのでないんでしょうか。
そういう意味でいえば、その組織の中だけでしか通用しない常識というのは、本来あってはいけないと思います。
きちんとした組織目標を持っている会社なら、そこで培ったノウハウやスキルはどこでも通用するのではないでしょうか。
逆に、この目標はおかしい、世間では通用しないやり方をやっていると思うのであれば、そういう組織はさっさと辞めたほうがいいようにも思います。
会社の目指す方向や考え方に共鳴できるなら、ことさら外の世界を意識する必要もないんじゃないかしらね。



5. Posted by ひろ   2004年12月26日 23:12
ご返事ありがとうございます。

組織として掲げられている目標、いわゆる社是は教科書的ですが、
いいことを書いていると思うので、組織自体はいいと思っています。

その組織の一人一人が、その目標にきちんと向いているかとか、
人によって、たどり着き方が違ったりして、ずれがあるのかなぁ?
と思っています。

となれば、いろいろみんなで話し合って、議論して進めていくと
いうことになりますね。
6. Posted by ヨロン/竹内富雄   2004年12月27日 00:29
ひろさん、こんにちは。ヨロンです(^_^)。

そうですね、目標へのたどり着き方は人それぞれなんでしょうね。
議論を重ねてお互いのコンセンサスをとりながら仕事を進めることは大事ですね。
話変わりますが、社是とか企業理念って、創業者や経営者にとってはものすごく意味があって重みのあるもんだと思います。
社員にはなかなか通じにくいのですが、経営者の思いはそれに集約されているといっても過言ではありません。
私が個人的に主宰している異業種交流会にも理念を掲げていますが、他人が見ると何気ないものですが、本人はかなり真剣に必死に考えたものです(笑)。

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